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親子三代華やかに 中村萬壽、時蔵、梅枝が「七月大歌舞伎」で襲名披露

産経ニュース / 2024年6月29日 13時0分

東京の歌舞伎座で今月、親子三代の襲名披露を行った初代中村萬壽(69)、六代目中村時蔵(36)、五代目中村梅枝(8)が7月、大阪・道頓堀の大阪松竹座で開催される「七月大歌舞伎」に出演し、関西での襲名披露を行う。「親子三代そろって大阪に伺えるのはうれしい。皆さまに喜んでいただける舞台を作り上げたい」と時蔵は話す。

萬壽は美貌と実力を兼ね備えた女形のベテランだ。長く時蔵の名で親しまれてきたが、「孫の大晴(ひろはる)に初舞台で梅枝を襲名させ、長男の梅枝に時蔵の名跡を継がせて、自分は新しい名前にしようと思った」と三代同時襲名のいきさつを語る。萬壽という名前は、屋号の「萬屋(よろずや)」と平安時代の元号「万寿」に由来し、自身で考えたという。

父からその名を受け継いだ時蔵も女形で、古風な芸風が貴重な花形だ。平成30年に坂東玉三郎から「壇浦兜軍記」の阿古屋を伝授され、今月の歌舞伎座の襲名披露でも、「妹背山婦女庭訓」のお三輪の熱情を表現し、高い評価を得ている。

しかし、「3年ほど前、父から襲名の話をされたときは戸惑いました。父は最後まで『時蔵』だと思っていましたし、僕自身も襲名はまだ早いと感じていたからです」と明かす。

2年前、同じ萬屋一門の中村獅童に話をすると、「いいと思うよ」と背中を押されたという。「ちょうど頃合いなのかなと思いました」。そんな父から梅枝を襲名した長男は、「いっぱい拍手がもらえる役者になりたいです」と愛らしい笑顔を見せた。

大阪での襲名披露で、萬壽は「恋女房染分手綱(こいにょうぼうそめわけたづな)」の乳人重の井を勤める。幼い頃生き別れたわが子、三吉と再会するが、身分の違いから母と名乗れない。三吉を孫の梅枝が演じるのも話題だ。

萬壽は「孫と共演できるのが、この演目を選んだ大きな理由です」と話し、梅枝は「かっこよくやりたいです」と答えた。

一方、時蔵は「嫗山姥(こもちやまんば)」の八重桐を勤める。恋文の代筆をしている八重桐が行方知れずだった夫と出会い-という展開で、女形の芸「しゃべり」や超人的な力を見せる立ち廻りなど見どころの多い作品だ。

「襲名でやってみたい演目としてまず思い浮かんだのが『嫗山姥』。古風で華やかな演目で父に教わって心して演じたいですね」

新しい名跡を襲名して、まだ1カ月弱。萬壽が「時蔵さんと呼ばれたら自分かと思ってしまう」と言えば、時蔵も「色紙に『中村』のあと、『梅』の字を書きそうになる」と笑う。

萬壽はほかに「義経千本桜・すし屋」の弥助実は維盛、時蔵は舞踊「俄獅子(にわかじし)」も勤める。7月3~26日。問い合わせはチケットホン松竹(0570-000-489)。(亀岡典子)

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