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祇園祭 神輿渡御の「武者行列」が50年ぶり復活へ

産経ニュース / 2024年7月13日 9時0分

祇園祭の重要神事の神輿渡御(みこしとぎょ)で、かつて甲冑(かっちゅう)を身につけて神輿を先導していた「武者行列」が約50年ぶりに渡御列に復帰することになった。行列を担うのは八坂神社(京都市東山区)の氏子で弓矢町(同区)の人々。昨年来、甲冑の調査をするなどして機運が高まり、復活にこぎつけた。今年は旗を掲げて裃(かみしも)姿で渡御列に参列。来年は鎧(よろい)を身につけて本格復活を目指すという。

神輿渡御は、祭神を遷した3基の神輿が氏子区域を巡る神事で、17日夕に神社を出発する神幸祭と、24日夜に神社に戻る還幸祭が行われる。

武者行列は中世以降、武装して神輿の先頭に立ち、神輿の警護にあたる八坂神社の神人(じにん)(下級神職)が担ってきた。神人は弓矢の製造に関り、神輿渡御の際には「弓矢組」と名乗り、弓矢を携え鎧兜(かぶと)をまとって行列に参加していた。弓矢町の町名はこれに由来する。

その姿は狩野永徳の国宝「上杉本洛中洛外図屛風」に描かれ、戦国時代に日本を訪れたポルトガル人宣教師、ルイス・フロイスの著書「日本史」にも登場する。

近代以降は神人を輩出した弓矢町の住民によって続けられてきたが、担い手不足に加え、甲冑の維持が難しくなったことなどから、昭和49年を最後に渡御列から姿を消した。体格がよくなった現代人に甲冑のサイズが合わなくなったことも背景にあるという。

平安建都1200年となった平成6年に、騎馬で武者行列を復活させようという話が持ち上がったものの実現せず、騎馬武者行列は代わりに筆頭氏子組織の宮本組が奉仕するようになった。

弓矢町では昨年来、SNS(交流サイト)で武者行列に関する情報を発信したり、研究者を招いて勉強会を開いたりするなどして、町内の機運を盛り上げる取り組みを重ねた。これまでは完全な形での復活にこだわっていたが、今年が行列中断から半世紀の節目にあたることなどから、現代に合ったやり方を模索しながら徐々に復活させる道を選んだ。今年は神幸祭で、裃姿の町内の代表6人が弓矢組の旗を掲げて渡御列に参列、来年からは2~3領の鎧を着用する予定だ。

弓矢町事務局長の岡田昌史さん(54)は「どうせやるなら100年続けられるようにしたい。渡御する人に負担のかからない方法を検討したい」と話す。

15~17日には町会所「弓箭(きゅうせん)閣」や町家で、「大将印」や「御使(おつかい)武者印」など14領の甲冑を飾る「武具飾り展」を行う。入場無料。(田中幸美)

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