京都・桂川の遺跡で江戸前期の川船出土 船の発達史解明で重要な発見に 形残ったままは全国初
産経ニュース / 2024年7月4日 21時0分
京都市伏見区の桂川西岸にある「長岡京跡・淀水垂大下津町(よどみずたれおおしもづちょう)遺跡」で江戸時代前期の護岸が出土し、この中から少なくとも6隻の木造の川船が見つかった。市埋蔵文化財研究所が4日、発表した。この時代の板材を組み合わせた川船が構造のわかる状態で見つかるのは全国初。川船の造船技術がどのように発展したのかを知る上で貴重な発見という。
調査は昨年11月~今年5月、桂川の河川整備事業のため実施された。同研究所によると、今回出土した護岸の長さは約70メートルに及び、川船は護岸に使われた石や盛り土の下から見つかった。土木資材として再利用されていたとみられる。
6隻のうちほぼ全体が残ったまま見つかった1隻は、長さ約7・4メートル、幅約1メートル。構造は、船底の板と側面の板の間に丸太をくりぬいた木材を使う「オモキ造り」だった。また護岸は出土した土器などの年代から、元和9(1623)年の淀城築城と城下町整備のために構築されたと判断された。
調査地付近は、古代から中世にかけて水運の拠点として利用された「淀津」の推定地にあたる。安土桃山時代に伏見港が開港したことで、淀津の機能は縮小したとされる。一方で今回の調査結果などから、淀津は水運業に携わる人の拠点として伏見港開港以降も一定の機能を保ち、多数の船を保有していたとの見方もできる。
また主に北陸地方で使われていたオモキ造りの川船が、淀川水系で見つかったのも初めてで、こうした技術がどのように国内で広がったのかを解明し、船の発達史や地域性の研究を進める上でも重要な発見といえる。研究所は今後、川船の保存処理を進め、今秋からの調査再開を目指す。(森天音)
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