没後60年、洋画家・辻愛造が残した何げない大阪 西宮市大谷記念美術館で記念展
産経ニュース / 2024年6月14日 13時0分
兵庫県の西宮市大谷記念美術館は洋画家、辻愛造(1895~1964年)の没後60年を記念して回顧展を行っている。辻の展覧会は同館では半世紀ぶりとなる。
大阪の街なか、南船場に表具師の子供として生まれた辻は、明治43年に日本画家、湯川松堂に入門。続いて大正元年には赤松麟作の画塾で洋画を学んでいる。大阪の百貨店でデザインの仕事をしながら、国画会展などに出品、再興院展でも入選を重ね、30代前半、西宮に移り住んだ。
展覧会の第1章では大正7年の「早春風景」から遺作の「塩津」まで、辻の風景画家としての変遷をたどる。何げない地方の風景を丁寧にスケッチし、アトリエで画面を構成してゆく後半の作品群の完成度と若い頃のみずみずしい色使いの対比をじっくりと楽しめる。
辻は、風俗画も多く扱っている。それは「大大阪時代」と呼ばれる繁栄期を大阪が迎えた1930年前後で、酒場で興じる人々などを描いたもの。美術史家の橋爪節也大阪大学名誉教授は「小出楢重は大大阪をあるように描いた。辻愛造は都市景観というより、自分が遊んだ街、大阪の近代性を描いた」と語る。
第2章ではその風俗画と懐かしい大阪の都市景観を扱った版画やガラス絵、第3章は出版物の挿絵、第4章は梅原龍三郎や伊藤慶之助ら辻とゆかりのある画家の作品を展示することで、さまざまな角度から浮かび上がらせている。
「風景、風俗、挿絵といろんな側面をもっていて親しみやすい辻愛造を、より多くの人に知ってほしい」と同館学芸員の内村周さん。辻の作品約100点と関連作家の作品約30点で、その足跡をたどる。7月15日まで(水曜休館)。一般1200円ほか。問い合わせ0798-33-0164。(正木利和)
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