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市川團十郎、大阪で荒ぶる 「十三代目」襲名披露締めくくり、新之助との「連獅子」も

産経ニュース / 2024年10月2日 16時0分

身にまとうオーラ、スケールの大きな演技-。現代の歌舞伎界の「顔」の一人、十三代目市川團十郎白猿(46)が2年にわたる襲名披露公演の締めくくりを10月10~26日、大阪松竹座「十月大歌舞伎」で行う。襲名披露演目は、荒事(あらごと)の芸の集大成ともいえる通し狂言「雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)」と、長男の八代目市川新之助(11)との共演で舞踊「連獅子」。「團十郎となったからには、今までよりもう少し歌舞伎界全体を見渡す目が必要」と大名跡を受け継いだ使命を語る。

「伝統文化守り、アップデート」

令和4年に長年名乗った海老蔵から、十三代目團十郎白猿を襲名した。

「『團十郎』が、歌舞伎界として大変重要な名前であることは、子供の頃から感じていた」とかみしめるように語る。

「海老蔵が冒険できる勢いのある名跡とするなら、團十郎は戦でいうと、馬上の姿勢が変わるというか、将軍らしい目線で見ざるを得ないのかな、ということを感じた2年間だった」

だからこそ、今後は古典を突き詰め、古典の再発見をしていきたいという。

「伝統文化の守らなければいけないものはきちんと守っていく。同時に、時代に応じてアップデートしなきゃいけないものはし続ける。そういう團十郎でありたい」

大阪での襲名披露演目「雷神不動北山櫻」には、團十郎のそんな強い願いが込められている。

本作は江戸時代、二世團十郎が大坂で初演。大当たりを取った。後に市川宗家の家の芸として制定される歌舞伎十八番「鳴神」「不動」「毛抜」が織り込まれた大作で、初代と二代目の團十郎が創始し、確立した勇ましい荒事の芸の魅力がふんだんに詰め込まれている。

当代の團十郎は海老蔵時代の平成20年、新たな脚本・演出で上演した。5役を勤め、空中浮遊を披露するなど好評を博し再演を重ねてきた。

「13人目の團十郎が大阪に行くのなら、披露演目は『雷神不動北山櫻』しかないと思った。荒事は勧善懲悪を分かりやすく力強く表現するエンターテインメント。團十郎としてぜひ大阪の地で荒ぶりたいですね」

一方、「連獅子」は親獅子が仔獅子を鍛えるため、あえて千尋の谷に突き落とすという内容で、獅子の勇壮な毛振りも見どころだ。

親獅子は團十郎、仔獅子は長男の新之助が勤める。團十郎が実の子と勤めるのは初めてだという。

「ついに自分の子とできる時代が来たか、と感慨深いです」としみじみ。「今後は團十郎として、歌舞伎を日本の方々により深く理解していただけるよう演じたいですし、日本の素晴らしい伝統文化を外国の方々にもっと楽しんでいただけるようにしていきたいですね」と力強い。

新之助「楽しく短い2年」成長示す

新之助も父との同時襲名から2年がたつ。一連の襲名公演では、歌舞伎十八番「外郎売(ういろううり)」「毛抜」など大作に挑み、大きな成長を遂げた。

「大変というより楽しく短く感じた2年間でした。襲名披露公演は大阪で最後ですが、これからも新之助としてたくさん努力して頑張っていきたいです」とりんと語る。

「連獅子」は自身の希望で実現したという。

「父と振りを合わせるところが難しく、大きく派手に動きながらも、細かいところまできちんと踊らないといけないので両方が必要な踊りだと思います」

憧れの演目は「助六」や「勧進帳」で、「お父さんの舞台を見てきたのでいつかやってみたいです」。その日が来るのが楽しみだ。

10月10~26日。襲名披露「口上」もある。チケットホン松竹(0570-000-489)。(亀岡典子)

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