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岡崎慎司さんがアストエンジ関西サッカーリーグで指導者の第一歩踏み出す 北川信行の蹴球ノート

産経ニュース / 2024年6月25日 11時0分

アストエンジ関西サッカーリーグの1部が23日、前半戦の戦いを終えた。ビッグレイク(滋賀県守山市)で行われた守山侍2000-FC BASARA HYOGO(バサラ兵庫)は1-1の引き分けに終わったが、悪天候の中、会場を訪れた100人以上の観客にはサプライズな出来事があった。17日に東京都内で引退記者会見を開いた元日本代表FW、岡崎慎司さん(38)がバサラ兵庫のスポーツダイレクターとしてベンチ入りしていたからだ。ドイツに設立したバサラマインツのトップチーム監督に就任する岡崎さんだが、〝指導現場での第一歩〟を古里である関西の地でスタートさせた。

恩師と一緒のベンチで感慨

8チームで戦うアストエンジ関西サッカーリーグ1部は国内最高峰のJ1から数えて5部に相当するアマチュアリーグ。全国に九つある地域リーグの一つで、各地域の優勝チームと全国社会人サッカー選手権大会(全社)の上位3チームが出場する全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)で2位以内に入ると、4部に相当する日本フットボールリーグ(JFL)に昇格する可能性が生まれる。

この日の試合は午前11時にキックオフ。兵庫・滝川二高時代のコーチで、昨年からバサラ兵庫を率いる恩師、荒川友康監督の隣に立って試合前練習を熱心に見守った岡崎さんは、試合が始まると、チームのベンチに座って観戦。「あまり声を出さないようにしようと思っていた」そうだが、チームが絶好機を迎えると、思わず立ち上がって声援。ハーフタイムには荒川監督に促されて選手らに激励の言葉をかけ、自身と同じFWのポジションの選手とも積極的にコミュニケーションを取っていた。

試合後に「いやもう、本当にまだ右も左もわからない状態なので。いろんな経験をさせてもらえること自体が感謝というか…。このクラブを一緒につくった相方が仲間を集め、ここまでしてくれた。そこに自分の恩師が監督に来てもらって…。その監督と一緒にベンチに座るというのは、感慨深いですね」と振り返った岡崎さんは「まだ立って、プレーをしていた方が楽なんすけど…。疑似体験ではないですけど、本当にいい経験をさせてもらいました。アジアや日本からの可能性を欧州で増やす目標もあります。同じクラブを使って選手たちが成長できる場を作っていきたいですね」と抱負を話した。また、アストエンジ関西サッカーリーグの八木勉運営委員長は「岡崎さんが指導者としての第一歩を関西で踏み出してくれたことがうれしい。ここをスタートに、指導者としても欧州、世界に羽ばたいてほしいですね」とエールをおくった。

真剣勝負の場があることに感謝

〝ベンチ入りデビュー〟を終えた岡崎さんとの主なやりとりは次の通り。

--バサラ兵庫のスタッフとしてベンチ入りした感想は

岡崎「いやもう、本当にまだ右も左もわからない状態なので。いろんな経験をさせてもらえること自体が感謝というか…。このクラブを一緒に作った相方が仲間を集め、ここまでしてくれた。そこに自分の恩師が監督に来てもらって…。もともと自分が勉強したかったのがあって、来てもらったのもあるのですが…。その監督と一緒にベンチに座るというのは、感慨深いですね」

--試合はどう見ました

岡崎「あまり声を出さないようにしようと思ったのですが、出るというか、これが普通になっていったらいいというか…。監督だったら、戦って、声を出していかないといけないでしょう。あまり僕は試合中に声を出さないんですよ。プレーしているときは結構、黙々とするタイプなので。だからやっぱり、スタイルを変えていかなきゃいけない。コーチングも適宜、言っていかないといけない。本当に疑似体験しているみたいな感じでしたね。でも、これから確固たる自信を身につけていけたらいい。ドイツで(監督業を)スタートしますが、ここ(バサラ兵庫)は関西から上を目指していますし、向こう(バサラマインツ)はドイツの6部から5部、4部と目指しています。ここが頑張ってくれると、向こうでも頑張れるというのがあります。連携してやっていければと思います」

--悪天候の中のプレーで、選手たちも大変だった

岡崎「やっぱり、プロ、アマ関係ないなと思いました。僕はスペイン2部でもプレーしていますし、スタジアムとかもあまりこだわりがない。『このスタジアムすごい』と思ったり、思い出にふけったりすることはあまりなくて、どこに行っても、練習試合でも全然、自分でスイッチを入れるタイプでした。プロとかアマとか関係なく、真剣勝負の場があるというのをすごく感じましたね。熱くなれる。プレーしている選手たちも趣味じゃない。だから僕もそれに対して『プロってこうだから』というのをはっきりと言える。プロになるためにはもっとこうしていかなきゃいけないという要求をしていきたいし、こういう場があることに感謝しなきゃいけないなと思いました」

--FWの選手に声をかけている姿が印象的でした

岡崎「やっぱり、点を取らないと勝てないので。特にウチは点を取れていない現状がありました。自分がドイツで監督をするという意味では、ここの選手たちをドイツに行かせたいという気持ちもあるので。ダイナミックなプレーであったり、勝つためには足元でボールをつなぐだけじゃなくて相手の嫌なとこに走っていかなきゃいけなかったり。走る種類もいっぱいあります。お互い、いい刺激になったらいいなと思います」

--バサラ兵庫は日本の5部相当、バサラマインツはドイツの6部。レベルはどうでしょう

岡崎「本当に比べるのは難しい。ブンデスリーガ(ドイツ1部)とJリーグを比べるのも難しいでしょう。どっちが強いとかというよりは、種類とか人の問題で、日本人が1人でドイツ6部のチームでプレーするのと日本人が多いチームでプレーするのはまた、全然違うと思います。一概には言えないですけど、ただバサラマインツは日本人が多いチーム。しっかりハードワークできるとか、日本と基準が似ているところもあります」

--きょうのベンチ入りの経験をドイツでどう生かしたいですか

岡崎「今はまだ立って、プレーしていた方が楽なんすけど…。どちらかというと、(選手のときは)口を出されるのは苦手なタイプでした。でも言っていかなきゃいけない。チームの練習も考えなきゃいけない。いざ試合に入ったら、選手や相手に負けないような何かを身につけ、決断力もいる。本当にいい経験をさせてもらいました。ドイツにサポートしてくれる人もいますし、連携して情報共有してやっていきたい。アジアや日本からの可能性を欧州で増やす目標もあります。同じクラブを使って選手たちが成長できる場を作っていきたいですね」

(サンケイスポーツ編集委員)

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