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著しい関西学生のレベル向上…「生駒山ダービー」では得点王とアシスト王が対決 北川信行の蹴球ノート

産経ニュース / 2024年6月11日 11時0分

関西学生サッカー連盟の加盟大学からJリーグクラブ入りした大卒新人の活躍が目立っている。J1鹿島アントラーズに加入したDF濃野公人(関西学院大)が17試合に出場して5得点をマークし、右サイドバックとして定着しているのをはじめ、名古屋グランパスのアカデミー(育成組織)出身で、大学を経てトップチームへの〝昇格〟を果たしたMF倍井謙(関西学院大)も15試合で2得点。このほか、アルビレックス新潟のMF奥村仁(関西福祉大)が8試合1得点…など、Jリーグクラブに入団した25人のほとんどが既にデビューを果たしている(記録はすべて6月10日現在)。

得点王とアシスト王

2日に東大阪市花園ラグビー場で行われたJ3、FC大阪と奈良クラブの「生駒山ダービー」には多数の大卒新人が出場。奈良クラブからはJ3の得点ランキングで10位タイにつける昨季の関西学生リーグ得点王、百田真登(関西大)が先発出場した。FC大阪は、プロ入り後にボランチ(守備的MF)のポジョンをするようになった昨季の関西学生リーグアシスト王のMF沢崎凌大(大阪学院大)が先発メンバーに名を連ね、百田らと対峙(たいじ)。試合終盤には、百田と大学時代のチームメートだったMF堤奏一郎(関西大)やMF夏川大和(京都産業大)もピッチに立った。

試合は互いに譲らず0-0のスコアレスドローに終わった。後半15分に退いた奈良クラブの百田は「僕が試合に出ている意味は得点を取るところだと思うので、まだまだ力不足かなと思います」と悔しさをにじませつつ、「(大学でチームメートだった)堤と最初の対戦で同じピッチに立つというのは目標にしていました。僕が早く代わって実現できなかったのですが、感慨深いものはありました」と心境を吐露。試合後に堤とユニホームを交換したことも明らかにした。

また、濃野や、大学時代のチームメートでJ1湘南ベルマーレで7試合に出場しているDF高橋直也(関西大)の名前を挙げて「すごい刺激はもらっていますし、僕も点を取っていかないといけないと思わせてくれるので、すごくありがたい存在」と強調した。

一方、この試合で初のフル出場を果たしたFC大阪の沢崎は「90分走り続けて結果を残し、チームに貢献する選手になっていこうと思います」と今後への決意を表明。新たに取り組んでいるボランチのポジションについては「意識しているのは長所の攻撃で、リズムを組み立てるところですが、最近は守備での球際やセカンドボールの回収は特に意識しています。攻撃はある程度いいのですが、守備の面で苦労しています。今もまだまだですが、慣れてきたかなと思います」と手応えを口にした。

「目の前の相手に走り負けないのは昔から意識しています」という沢崎は9日のカマタマーレ讃岐戦でも2試合連続の先発出場を果たすと、後半17分にFKでチームを勝利に導くJリーグ初得点をマークした。FC大阪には堤や夏川を含め、関西学生サッカー連盟の加盟大学から加入した大卒新人が7人在籍。同年齢と切磋琢磨(せっさたくま)しながら、レギュラー定着への足掛かりをつかんだ沢崎は「年齢は関係ないと思っています。どのチームに入っても自分が一番になるようにと思っています」と言葉に力を込めた。

天皇杯には4大学出場

昨季、大学4年生で関西学生リーグの優秀選手賞に輝いた11人全員がJリーグ入り。J2水戸ホーリーホックのMF長尾優斗(関西学院大)の18試合を最多に多くが経験を積んでいる。昨秋の中国・杭州でのアジア大会に出場し、U-22(22歳以下)日本代表の準優勝に貢献して特別賞を受賞したDF奥田勇斗(桃山学院大)もセレッソ大阪でリーグ戦5試合に出場している。これから頭角を現してくる選手もいるだろう。

来季も既に10人近い選手のJリーグ入りが内定している。以前にも少し記したが、天皇杯全日本選手権にも4大学が出場。京都産業大(京都府代表)、関西大(大阪府代表)、びわこ成蹊スポーツ大(滋賀県代表)は1回戦で敗退したが、甲南大(兵庫県代表)はJ3のツエーゲン金沢(石川県代表)をPK戦の末に破って2回戦に進出している。関西学生リーグのレベル向上は著しいように思う。

(サンケイスポーツ編集委員)

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