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「性別は2つ」「女子スポーツから男性締め出す」トランプ氏のLGBT論、大統領選に影響

産経ニュース / 2024年11月11日 10時40分

米大統領選の期間中、トランスジェンダーを巡ってハリス氏を批判したトランプ陣営のCM(トランプ氏のフェイスブックから)

米大統領選で勝利した共和党のトランプ次期大統領は、経済や移民問題のほか、民主党候補のハリス副大統領のLGBT政策に対して「性別は2つだけ」「女子スポーツから男性を締め出す」と主張していた。スポーツに携わる女子選手や選手の父母からは、トランプ氏の「女性を守る」姿勢を評価する声も多く寄せられ、返り咲く勝因の一つになったとの指摘もある。民主党内からはハリス氏の政策が過激だったと反省する声も出ている。

「女性守るトランプ氏に感謝」

FOXニュースによると、トランプ氏は選挙戦大詰めの今月2日、南部バージニア州セーラムで開かれた選挙集会に地元ロアノーク大学の競泳女子部員らを招待した。選手らは「女子スポーツからホットドッグ(男性器)を排除せよ」と書かれたTシャツを着ていた。

チームでは昨年、同じ大学の競泳男子の元部員が入部しようとする出来事があった。トランプ氏は「そのとき、過激左派の性に対する狂気がここセーラムにやって来た」と述べた。

リリー・マレンズ主将は壇上で「バイデン大統領とハリス氏は、女性に対する性差別がこの国じゅうで続くよう主張し、推進してきた。女性の権利を守ると約束してくれたトランプ氏に感謝する」と演説した。

トランプ氏が「女子スポーツから男性を排除する」と改めて約束すると、会場は歓声に包まれた。

更衣室で裸見られ「屈辱」

また、各地のトランプ氏の集会にはレキシントン大学の競泳女子選手だったライリー・ゲインズさんがたびたび登壇した。

ゲインズさんは、2022年に全米大学体育協会(NCAA)選手権の競泳女子で優勝して話題を集めたトランスジェンダーのリア・トーマス選手と大会で争った。

ロッカールームはトーマス氏と同じで、女子選手らは裸を見られ、トーマス氏は男性器のある裸を見せたという。ゲインズさんは「私たちが感じた屈辱は言葉では言い表せない」と訴え、トランプ氏を支持する運動を展開した。

このほかに、米国では女子サッカーや女子バレーボールでトランスジェンダーの選手がいるチームに反発し、試合をボイコットする動きが起きており、女子選手や父母はトランプ氏に期待した。

民主議員からも「極左に迎合」

ハリス氏の敗北について、民主党のトム・スオッツィ、セス・モールトン両下院議員は「誰かを差別したいわけではないが、生物学的な男性が女子スポーツに参加すべきではない」「民主党は極左に迎合するのをやめなければならない」などとニューヨーク・タイムズに語った。

トランプ陣営は選挙期間中、ハリス氏がトランスジェンダーの受刑者の性別適合医療に公費投入を認めると発言した過去の映像をCMで放送し続けた。フットボール中継の合間などに頻繁に流れたこのCMは「カマラ(ハリス)の課題は『彼ら』であって、『あなた』ではない」と結んでいた。CNNによると、このCMのために2000万㌦以上が投じられた。

MSNBCテレビの司会者で、本来トランプ氏に批判的なジョー・スカボロー氏は6日の番組で、こう指摘した。

「あのCMはこれまでに放送されたどのCMよりも大きな影響力を持っていた」「地方の人も、ヒスパニックや黒人の若い男性も、みんな理解した。ハリスはリベラル過ぎた」

(渡辺浩)

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