「死ぬまで続くショック」「民主主義の危機」 トランプ氏当選で国内リベラル派意気消沈
産経ニュース / 2024年11月7日 16時49分
米大統領選で共和党のトランプ前大統領が当選を決めた。緊密な外交関係がある日本でも関心は高いが、目立つのは「アンチトランプ」のリベラル派とみられる有識者らのため息と憤り。民主主義の手続きに則った米国民による選挙の結果に対して「民主主義の危機」と訴える姿勢に疑問の声も上がる。
トランプ氏の当選が現実味を帯びた6日夕、明治大教授(異文化間コミュニケーション)の海野素央さんは民放テレビ番組で「民主主義の危機」「民主主義の弱体化」と繰り返し、「歴史に残る選挙でこういう結果が出ていることを私たちは直視しなければならない」と締めくくった。海野さんは2008年以降の米大統領選で、研究の一環として民主党陣営のスタッフを務めていたことを公言している。
「トランプ勝利を想定していた」という米国出身でお笑い芸人のパトリック・ハーラン(パックン)さんは「いざふたを開けてみると、やっぱりショック」とBSテレビ番組で心情を吐露し、トランプ氏について「金正恩(キム・ジョンウン)とラブレターを交換している」「プーチンともラブラブな状態」などと揶揄。今回の選挙でもハリス氏が制したリベラル派の牙城・マサチューセッツ州にあるハーバード大の卒業者らしく「死ぬまで続くショック」とため息を漏らした。
「非大学進学者たちが共和党支持」
思想家の内田樹(たつる)さんはX(旧ツイッター)に「世界は多極化・カオス化し、『一寸先は闇』の時代に突入します」と投稿。「とりあえずアメリカでは知性と道義性が決定的な政治的価値であるという信念は失われました。自分たちが何を失ったか、彼らはいつ気づくでしょうか」。
受け入れたくない現実を拒否したがるのは米国でも同じだ。大統領選の報道番組で女性コメンテーターは「国内に大きな隔たりがある」とした上で、「労働者階級で非大学進学の人たちが共和党支持に傾いている」と学歴差別とも受け取れる発言をした。
一方で、お笑い芸人のほんこんさんはXに「(トランプ氏に)米国民が単純に扇動されたみたいに聞こえる (当選を決めたのは)政策やろ」と投稿。
エジプト出身のタレント、フィフィさんもXで「選挙速報、どこもスタジオがお通夜で、現状を受け入れられず、コメンテーターがまだ必死にトランプを貶しまくっていてみっともない、なぜアメリカ国民の声をフラットに伝えられない?」と投稿した。
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