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米共和党全国大会 会場の外側は冷めた雰囲気 開催地ミルウォーキーは民主党の強固な地盤

産経ニュース / 2024年7月17日 11時48分

米ミルウォーキーの黒人居住者が多いブランズビルにウィスコンシン共和党が設置した黒人地域センター(平田雄介撮影)

米共和党が全国大会を開催中の中西部ウィスコンシン州ミルウォーキーは、民主党の強固な地盤だ。遊説中の銃撃直後に拳を突き上げて聴衆を鼓舞したトランプ前大統領を「タフな指導者」とたたえ、11月の大統領選へ結束を固める党大会参加者の熱気と対照的に、会場の外側の雰囲気は冷めていた。

党大会の会場ファイサーブ・フォーラム北側のブランズビルは、黒人の居住者が多い地区だ。トランプ氏が銃撃された13日夕、公民権運動の指導者キング牧師の名を冠した並木道で記者が声をかけたボブ・クラークさん(71)の第一声は「当然の報い」だった。

辛辣(しんらつ)な言葉の裏に「トランプ氏に差別された」との被害者意識がある。ミルウォーキーでは2016年夏、警察官が追跡中の黒人男性を射殺し、大規模な抗議デモが起きた。この際、16年大統領選の共和党候補だったトランプ氏が警察の対応を「正当だ」と擁護したことに、クラークさんは今も反発している。

バイデン氏は20年の前回大統領選で、トランプ氏のこうした態度を強く批判し、黒人層に寄りそった。黒人層の圧倒的支持を受けたことが勝利の原動力となった。

AP通信によると、前回選でトランプ氏の黒人からの得票率は8%に止まった。一方、今年11月の大統領選へ向け、黒人層の支持拡大がトランプ氏の返り咲きを後押しするのは間違いない。物価高や認知機能の衰えでバイデン氏への失望が広がる現状を、陣営は「好機」とみる。

ウィスコンシンの共和党は、ブランズビルに置く「黒人地域センター」を拠点に票の掘り起こしを図っている。ただ、周辺で話を聞いた黒人30人のうち、「トランプ氏への投票を考える」と答えたのは2人にとどまっている。民主党を長年支持してきたトマス・オルグリスビさん(59)は、「共和党が何かをしてくれたという記憶がない」と冷ややかだった。(ミルウォーキー 平田雄介)

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