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ブレア元米国家情報長官インタビュー「日本のサイバー対策はまだマイナーリーグ」

産経ニュース / 2024年5月15日 17時51分

オンラインで産経新聞のインタビューに応じるブレア元米国家情報長官=14日

【ワシントン=坂本一之】ブレア元米国家情報長官は14日、オンラインで産経新聞のインタビューに応じ、日本のサイバー対策は「改善しているがまだ十分ではない」と述べた。脅威への対処に必要な相手側のサーバーに侵入して情報収集や無害化を図る「能動的サイバー防御」を実施できないため、対策レベルは「まだマイナーリーグだ」と苦言を呈した。

ブレア氏はサイバー空間の脅威に関し、平時では企業攻撃や世論工作などが行われる一方、有事は「ネットワーク上で運用される部隊の作戦が妨害される可能性がある」として部隊の行動に直接の影響が出る恐れがあるとした。

中国が「重要インフラにマルウエア(悪意あるソフト)を仕込み」有事に起動させることも試みていると指摘。「中露や北朝鮮、イランは日米を敵視し、紛争時への準備を進めている」と警鐘を鳴らした。

2022年に「マイナーリーグ」と評した日本のサイバー対策は、改善してはいるものの「まだ米英豪などのメジャーリーグ(のレベル)ではない」と語った。日本に必要な対応として能動的サイバー防御の導入と官民共同のオペレーションセンターの設置を挙げた。

具体的には、民間人のプライバシー保護とともに「敵に対しサイバー上で情報収集する権限を防衛省・自衛隊に与えるべきだ」と述べた。敵のサーバー情報などから有事の対応策を検討する必要があるとした。

米国は日本との連携強化を望んでいるが、防衛対策が不十分な日本のシステムに接続することに躊躇(ちゅうちょ)があると説明。現在の自衛隊のサイバー能力では、「米軍は機密性の高い生データを自動的に共有することはしない」と明言した。能動的サイバー防御などによる能力向上はサイバー攻撃を抑止する力となり、「自衛隊と米軍の統合運用」を大きく高めると重要性を強調した。

「中国政府が支援するハッカー組織が能力を高めている」とし、「日本は素早く対応しなければならない」と訴えた。

官民共同のオペレーションセンターに関しては、政府と民間による「情報共有や脅威の特定、脆弱(ぜいじゃく)性への素早い対応、能力開発」を提案、米国との連携も求めた。

■ブレア・ショック

デニス・ブレア元国家情報長官は2022年4月に自民党本部で講演し、「日米同盟最大の弱点はサイバーセキュリティーだ」と述べ、法制度の不備や人員不足など日本の対応の問題点を次々と指摘した。米太平洋軍司令官を務め知日派でもあるブレア氏の苦言に、防衛相経験者を含め会合出席者は衝撃を受け、サイバーセキュリティーの重要性に対する認識が高まったとされる。ブレア氏は日本のサイバー防衛のレベルを野球に例えて「マイナーリーグ」だとし、対応の強化を訴えてきた。

■デニス・ブレア

米海軍士官学校卒。太平洋軍司令官などを務め2002年に退官。オバマ政権の09~10年に国家情報長官。現在は米シンクタンクの全米アジア研究所(NBR)などに所属。77歳。

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