米副大統領候補の軍歴で論争 ウォルズ氏退役後に部隊がイラクへ、「見捨てた」とバンス氏
産経ニュース / 2024年8月16日 18時56分
【ワシントン=渡辺浩生】米大統領選の民主党副大統領候補、ウォルズ・ミネソタ州知事の陸軍州兵としての軍歴が論争を起こしている。ウォルズ氏は下院選出馬のために部隊を退役したのだが、その部隊が間もなくイラクに派遣されたためだ。共和党の副大統領候補で元海兵隊員のバンス上院議員は「部隊を見捨てた」とウォルズ氏を批判している。
「派遣準備中に退役、失望」の声
米メディアの報道や州ホームページに掲載された略歴によると、ウォルズ氏は1981年、17歳で陸軍州兵に入隊した。州兵は郷土防衛と米軍の予備部隊を兼ねた軍事組織。平時は各州知事の指揮下で治安維持や災害救援にあたり、戦時には大統領指揮下に入る。
ウォルズ氏は高校教師をしながらミネソタ州兵の野戦砲兵大隊の下士官を務めた。下院選出馬のために2005年に退役し、翌06年の選挙で当選した。大隊は出動命令を受けて06年春にイラクへ派遣された。
ウォルズ氏の24年間の軍歴は、民主党の大統領候補に指名されたハリス副大統領の選挙戦で中間層へのアピールに役立つとみられた。しかし、部隊の元同僚らが「イラク派遣の準備をしている時期に退役したウォルズ氏の決断に失望を表明した」(米紙ワシントン・ポスト)ことで、批判の的となった。
バンス氏も広報担当で戦闘経験なし
ウォルズ氏が下院選出馬を模索した時期、州兵部隊がイラクに派遣されるとの観測があったのは事実だ。バンス氏は「ウォルズ氏は国からイラク行きを求められて、何をしたのか」「自分の部隊を見捨てた」と遊説などで批判した。バンス氏は海兵隊員として05~06年にイラクに派遣された。
「私が戦争で携帯したような銃は、戦場にのみ存在すべきだ」。ウォルズ氏が州知事に初当選した18年、銃規制強化を訴えてこう発言していたことにも、バンス氏は「いつ戦争に行ったのか」などとかみついた。
ウォルズ氏は今月13日の演説で「他人の軍歴を批判すべきではないと信じる」と強調。「国のために制服をまとった、私の対戦相手を含む勇敢な皆さんに感謝する」とバンス氏に取り合わない姿勢を見せた。
バンス氏はイラクでは広報業務に従事した。元海兵隊員のモールトン下院議員(民主)は、バンス氏を含む軍人の多くには戦闘経験がないと指摘し、「国に立派に奉仕した男女への批判をいつになればやめるのか」とX(旧ツイッター)で揶揄(やゆ)した。
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