トランプ氏、大統領退任後もプーチン氏と親密 米名物記者が近く新著で暴露
産経ニュース / 2024年10月9日 10時15分
【ワシントン=大内清】米紙ワシントン・ポストの名物記者ボブ・ウッドワード氏の新著「戦争(War)」が15日に発売される。同紙が8日に伝えたところでは、11月の大統領選で返り咲きを狙う共和党のトランプ前大統領が、2021年1月の退任後もプーチン露大統領と親密な関係にあることなどが明らかにされるという。
同書の抜粋によれば、トランプ氏は新型コロナウイルスの感染が拡大した20年、世界的に供給が不足していたウイルス検査キットをプーチン露大統領へ個人的に贈った。プーチン氏はトランプ氏が批判にさらされることを心配し、「人々が私ではなくあなたに怒りを向けるから、(検査キット贈呈を)誰にも言うべきではない」と助言した。
両者の関係はその後も続き、24年前半にはトランプ氏が南部フロリダ州の自邸からプーチン氏と私的な電話をするために、側近に席を外させたこともあった。匿名の側近の証言から、トランプ氏は退任後に多くて7回、プーチン氏と話したとみられるという。
トランプ氏は、ロシアの侵略を受けるウクライナへの軍事支援継続に懐疑的な立場を示し、自分が当選すれば「24時間で戦争を終わらせる」と主張。具体案は不明だが、共和党の一部や民主党には、トランプ氏が返り咲いた場合、ウクライナに領土割譲を迫るなど露に有利な形での和平を進めるとの懸念がある。
一方、同書は、民主党候補のハリス副大統領について、バイデン大統領の忠実なナンバー2ながら、外交政策に大きな影響力を持たない存在として描写しているという。
トランプ陣営の報道官は8日、同書について「何一つ事実ではない。安売り書店のフィクションコーナーに値引きされて置かれるか、トイレットペーパーとして使われるだけの本だ」と酷評した。ウッドワード氏は米政治の内幕を描くことに定評があるだけに、大統領選への影響に神経をとがらせているもようだ。
ウッドワード氏は、相棒だったカール・バーンスタイン氏とともに、1974年のニクソン大統領(当時)辞任につながった「ウォーターゲート事件」報道で知られる。
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