米下院が共和党のジョンソン議長を再任 トランプ氏、政権発足へ求心力維持
産経ニュース / 2025年1月4日 7時5分
【ワシントン=坂本一之】昨年11月の米上下両院選を受けた新議会が3日、開会した。下院は議長選を実施し、多数派を握る共和党のジョンソン議長を再任した。共和党の一部からはジョンソン氏の議会運営に不満が出ていたが、トランプ次期大統領が続投を支持していた。トランプ氏は共和党における求心力を示した格好で、不法移民や経済問題で「米国第一」主義の政策を実施していく考えだ。
定数435の下院は議長選で、ジョンソン氏が過半数の218票を獲得し再選を果たした。下院勢力は共和党が219議席、民主党が215議席となっている。
下院議長選を巡っては当初、複数の共和党議員がジョンソン氏に反対していたが、トランプ氏が電話して説得するなどし、最終的に共和党の造反は1人となり、再任が決まった。
多数の造反で下院議長の選出が遅れれば、6日に議会で大統領選の投票結果を集計してトランプ氏の当選を正式に確定する手続きや、20日の政権発足などで混乱を招き、トランプ氏の政権運営が揺らぐ恐れがあった。
トランプ氏は3日、下院議長選に先立ち、「ジョンソン氏の勝利は、共和党にとって大きな勝利となる」と同氏への支持を交流サイト(SNS)で呼びかけていた。再任後には祝意を示した上で「米国はかつてないほど偉大な国になる」と述べ、議会と連携した政権運営に自信を示した。
一方、ジョンソン氏は、トランプ氏の後ろ盾を失うことができない状況が浮き彫りになった。ジョンソン氏は議長選後の演説で、トランプ氏が掲げる「米国第一」の政策を進めると表明。「国境を守ることが最優先事項だ」と述べ、物価高問題などにも取り組むと約束した。
トランプ氏は今後、上院で行われる閣僚人事などの承認手続きが課題となる。共和党は下院とともに上院の多数派を握るが、定数100のうち共和党は53議席、民主党が47議席となっている。共和党の一部から懸念が出ている国防長官候補のヘグセス氏の人事などで、複数の共和党議員が反対すれば承認が遅れる可能性もあり、トランプ政権にとってはダメージとなる。
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