トランプ氏、コロンビアに制裁関税25％ 送還機の着陸拒否に報復「許さない」

【ワシントン＝大内清】トランプ米大統領は26日、不法移民を米国から強制送還する航空機の着陸を南米コロンビアが拒否したことへの制裁として、同国に対し25％の緊急関税を課すことや、同国政府当局者のビザ（査証）を取り消すなどの措置を発表した。自身の交流サイト（SNS）に投稿した。

AP通信によると、コロンビアのペトロ大統領はトランプ氏の発表を受け、「米国からの輸入に25％の関税を課すよう指示した」と表明した。

一連の応酬に先立ち、ペトロ氏は26日、強制送還対象者の人間的尊厳を守るための措置がトランプ政権によって導入されない限り、送還の受け入れを拒否すると表明。これに対しトランプ氏は投稿で、「コロンビアが（不法移民の）送還を受け入れる法的義務に違反することを許しはしない」と非難した。

トランプ氏は、すべてのコロンビア製品に25％の緊急関税を課し、1週間後には50％に引き上げるとしている。米税関・国境警備局によると、両国の間では2012年に貿易促進協定が発効しており、コロンビアからの輸入品は現在、大部分が無関税。米国はコロンビアから主に原油や石炭、コーヒーなどを輸入している。

トランプ氏はこのほか、同国の政府当局者や政党関係者にビザ取り消しや発給制限、渡航禁止措置などの制裁を科すとした。

トランプ政権は20日の発足以降、強硬な不法移民対策を矢継ぎ早に発表。23日には拘束された不法移民の各国への送還が始まっていた。