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米、石破新総裁の安保政策に冷ややか 地位協定見直しなら「摩擦」も

産経ニュース / 2024年9月28日 10時13分

会見する石破茂新総裁=27日午後、党本部(関勝行撮影)

【ワシントン=坂本一之】米国では自民党の石破茂新総裁が掲げる外交・安全保障政策の一部に関し冷ややかな声が出ている。石破氏が就任会見で言及した、在日米軍の法的地位を定めた日米地位協定の改定や「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」構想の実現性を疑問視している。特に日米地位協定の改定は米大統領選を経て来年1月に発足する新政権との摩擦にもなりかねない。

米国防総省のシン副報道官は27日の記者会見で、石破氏が掲げる地位協定の改定などについて問われると「米国は日本と素晴らしい関係にある。日本の新政権との協力を楽しみにしている」と述べるにとどめた。

日米外交筋は「米国は常に地位協定の見直しに消極的だ」とし、議論の対象にすることも嫌がると説明する。日本を防衛するために展開する米軍に与えられている地位や権利を維持しようという意識が働くためだ。

日米関係に詳しい米シンクタンク「ランド研究所」のジェフリー・ホーナン上級政治研究員は「地位協定の改定について米国は『ノー』と言うだろう」と指摘。「もし石破氏が改定を主導すれば、米国との間に大きな摩擦が生じる」と語る。

共和党大統領候補のトランプ前大統領がホワイトハウスに返り咲いた場合、石破氏が地位協定を巡って「不公平」だと主張すれば、「日米同盟を不公平だと考えているトランプ氏に響く可能性がある」と予測。日本の責任拡大など日米同盟のあり方の議論が複雑化する可能性を指摘した。

またホーナン氏は、アジア版NATO構想に関し「アジアには共通の脅威認識がない」ことなどから「実現不可能であり米国が支持することはあり得ないだろう」と語る。

ロシアの脅威に対する欧州の共通認識に比べ、アジアは中国の脅威への認識が国によって異なる。日本がインド太平洋の国々を防衛することが難しいことを含め、米側では懐疑的な声が強い。

石破氏は就任会見でアジア版NATOに関し、日米豪印4カ国の協力枠組み「クアッド」の延長線上にあるとの考えも示した。しかし、米政府高官はクアッドに関し「いかなる軍事同盟でもなく、パートナーシップとして定義し続けている」と話している。

21日に米国で開いたクアッド首脳会合の共同声明では、高圧的な海洋進出を図る中国への非難を盛り込んだが、「中国」の名指しを避けるなど強い姿勢を示していない。

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