「トランプ共和党」で傍流に、「迷える人々」の投票先 トランプ氏かバイデン氏か棄権か
産経ニュース / 2024年7月18日 17時18分
11月の米大統領選に向け、共和党全国大会で候補者指名を受けたトランプ前大統領(78)を批判する共和党関係者らのグループ「原則第一」が17日、大会開催地の中西部ウィスコンシン州ミルウォーキーで対話イベントを開いた。参加者の多くは、トランプ氏とその支持勢力が完全掌握する党内に居場所がないと感じる人々だ。「迷える党員」が本選で選ぶのはトランプ氏か、民主党のバイデン大統領(81)か、あるいは棄権なのか。
「トランプは気分で政策と人事がころころ変わる。指導者として危険だ」。有権者資格を得て以来、一貫して共和党を支持してきた元軍人で弁護士のサム・バンコップ氏(36)はこう語る。トランプ氏とそのスローガン「米国を再び偉大に」の英語頭文字から「MAGA(マガ)」と称する信奉者に牛耳られた共和党は「信頼できる党ではなくなった」という。
イベントに参加した数十人の多くが同様の心情を吐露する。と同時に、「民主党に政権を任せていいのかとの気持ちもある」(女性参加者)。
共和党の予備選では、ヘイリー元国連大使がトランプ氏への不満票の受け皿となり、多くの州で10%を超す票を得た。ヘイリー氏は16日に全国大会で演説し、自身の支持者にトランプ氏への投票を呼びかけた。
しかし、ヘイリー支持者の全国ネットワークを束ねるアマンダ・スプラウルズ氏(53)は取材に「ヘイリー氏に投票した人々には、トランプ氏には絶対に投票しないという人が多い」と話す。特に都市郊外に住む女性に拒否感が強いという。
17日のイベントでは、共和党の執行機関である全国委員会のトップを2009年から11年にかけて務めたマイケル・スティール氏(65)も登壇した。2020年大統領選で敗北を否定し、選挙結果を覆そうとするなど民主主義の原則から踏み外したトランプ氏は「共和党を破壊した」とし、トランプ氏の返り咲きを阻止するために民主党への投票を呼びかけた。(ミルウォーキー 大内清)
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