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イスラエル首相訪米 ハリス氏との隔たりが浮き彫りに 国会休会、停戦回避に全力か

産経ニュース / 2024年7月27日 18時21分

イスラエルのネタニヤフ首相は26日、トランプ前米大統領との会談で親密な関係を確認し、パレスチナ自治区ガザへの攻撃に公然と懸念を示したハリス副大統領との違いが浮き彫りになった。ネタニヤフ氏はハリス氏の求めるイスラム原理主義組織ハマスとの停戦には後ろ向きとされ、11月の米大統領選本選まで戦闘を続ける思惑もうかがえる。

ネタニヤフ氏は26日、ハマスとの停戦について仲介役の米国やカタールなどと協議するため、近く代表団をローマに派遣するとした。ただ、協議の成否については「時が明らかにする」と述べて言葉を濁した。

イスラエル有力紙ハーレツ(電子版)は政府高官の話として、代表団の派遣は協議の進展を内外に印象付けるための「偽装」に過ぎないと伝えた。ネタニヤフ氏は訪米中こそ柔軟な姿勢も見せたが、本音は戦闘継続だとの観測が絶えない。

イスラエルではネタニヤフ政権の戦闘指揮が妥当か否かを争点に、早期に国会選を実施すべきだという声が多い。しかし、ハマスによる奇襲を許して支持が低迷するネタニヤフ氏は、選挙となれば首相の座はおろか政治生命さえ絶たれかねないのが実情だ。

そして、事態は選挙を回避したいネタニヤフ氏に有利に傾きつつある。イスラエル国会は7月末から10月末まで休会するため、野党などによる政権の打倒が難しくなる上、首相や内閣の裁量で対処できる事案が増えるからだ。

ネタニヤフ氏がこの期間を利用して、「ハマスの残存勢力が存在する限り、イスラエルの治安は安定しない」などと国民に訴え、戦闘継続の環境整備を進めることも想定される。

ネタニヤフ連立政権に加わる極右政党のスモトリッチ財務相は26日、「ハマスに(組織の)立て直しを許し、拘束された人質を見捨てる。そんな罠(わな)にかかるわけにはいかない」と述べ、ハリス氏が求めた停戦を拒否する姿勢を鮮明にした。ネタニヤフ氏は極右との連携を強化し、停戦協議の結論を先延ばしする可能性がある。

ハリス氏はネタニヤフ氏が強く反対してきた、パレスチナ独立国家の樹立による「2国家解決」を支持する意向も示した。ネタニヤフ氏は今回の訪米をへて、11月の米大統領選でのトランプ氏の勝利を一層強く願っているに違いない。(カイロ 佐藤貴生)

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