トランプ氏「誇り高く、繁栄し、自由な国に」 就任演説で米国第一鮮明 領土拡大にも意欲
産経ニュース / 2025年1月21日 6時28分
【ワシントン=坂本一之】米国のトランプ新大統領は20日(日本時間21日未明)、首都ワシントンの連邦議会議事堂で就任演説を行った。「政権の一日一日、米国を第一に考える。最優先事項は誇り高く、繁栄し、自由な国をつくることだ」と述べ、「米国第一」主義を鮮明にした。「米国は富を増やし、領土を拡大して成長する国家だと考える」と述べ、領土拡張への意欲も示した。
米国が建設に巨費を投じた中米パナマ運河について「中国が運営している」との見解を示し、「われわれが取り戻す」と訴えた。メキシコ湾を「アメリカ湾」に改称することも掲げた。これまで主張してきたデンマーク自治領グリーンランドの米国所有には言及しなかった。
トランプ氏は「例外主義」という用語を使い、米国は民主的価値を体現する特別な存在だとの考えも強く示した。米国は「偉大な国」を目指すとし、「米国の黄金時代が始まる」と強調した。
具体的政策では、不法移民対策として国境地帯に「国家非常事態」を宣言し、南部国境に米軍を派遣すると表明した。エネルギー価格の高騰が物価高を招いているとし、「国家エネルギー非常事態」を宣言して石油・天然ガスの増産を図ると述べた。バイデン前政権が進めた電気自動車(EV)普及策は撤廃する。
「米国民を豊かにするため、(輸入製品に)関税を課す」と語り、米国内の雇用を守る目的で貿易制度の見直しに着手すると約束した。国内で意見が分かれるLGBTQ(性的少数者)の権利を巡っては、保守層の意見に沿って「今日から性別は男性と女性の2つだけであることを政府の公式方針とする」と宣言した。
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