「動物園からゾウ解放を」愛護団体の請求、米裁判所棄却 「知的な動物は自由に」主張も
産経ニュース / 2025年2月3日 14時31分
米コロラド州最高裁判所は先月、同州内の動物園で飼育されているゾウの「解放」を求める動物愛護団体の請求を棄却した。団体側の主張根拠は「動物の拘束が違法であると異議申し立てができる『人身保護』」だったが、州最高裁の判断は「やはりゾウは人ではない」。訴えられた動物園側は「資金集めのための司法の不正利用だ」と愛護団体側に不快感を示している。
ゾウに「人身保護」適用?
動物愛護団体「ノンヒューマン・ライツ・プロジェクト(NHRP)」が求めたのは、コロラド州内にあるシャイアン・マウンテン動物園で飼育されているミッシー、キンバ、ラッキー、ルル、ジャンボと名付けられた5頭のアフリカゾウの保護区への移送。
地元紙「デンバー・ガゼット」などによると、「感情的に複雑で知的な動物であるため自由を得る権利がある」ゾウが監禁されており、脳損傷やストレスなどの兆候があることから、保護区に移すべきとした。この際、NHRP側はゾウの代理権者として「人身保護請令状」を請求した。人身保護はかつての奴隷や夫の支配下にある女性など権利を主張できない人たちの保護のために活用されてきた。
1月21日、コロラド州最高裁は「問題の本質はゾウが人間であるかどうかに帰着する」とし、「ゾウには人間と同じ自由権はない」と明快な判決を下した。裁判官の評決は6対0(棄権1)で、マリア・バーケンコッター判事は「ゾウは雄大ではあるが人間ではなく、訴訟を起こすことはできない。良くも悪くも、米国の法は人間の権利を中心にしており、他の動物の人格は認めていない」とした。
「寄付集めのため」と批判
判決を受け、NHRPは公式ホームページで「人間でなければ認知、心理、社会的にどれだけ洗練されていても自由権がないという不正義を永続させるものだ」と判決を批判した。
一方で動物園側はフェイスブックで「判決に満足するが、貴重な時間と費用を費やした」とNHRPを非難。その上で「彼らが資金集めに裁判所のシステムを悪用していることを忘れないでほしい。 彼らの本当の目標は、センセーショナルな判決事例を絶えず公開して注意を集め寄付を促すことだ」と警鐘を鳴らした。
デンバー・ガゼットによると、NHRPの同種の提訴はニューヨークとコネチカット両州でも却下されている。
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