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日本製鉄によるUSスチール買収、米大統領が判断へ 審査委「見解一致達せず」

産経ニュース / 2024年12月24日 17時33分

【ワシントン=塩原永久】日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画で、米政府傘下の対米外国投資委員会(CFIUS)は23日、買収の是非に関連した審査で一致した見解に達することができず、判断を大統領に一任するとの審査結果をまとめた。バイデン大統領が15日以内に最終的な判断を下す。審査は23日が期限だった。

米政府の関係省庁の横断組織であるCFIUSは、日鉄のUSスチール買収について、国家安全保障上のリスクがあるかどうかを分析・評価。23日にホワイトハウスに審査結果を報告した。

米紙ワシントン・ポスト(電子版)などによるとCFIUSは、日鉄の買収によって「国内鉄鋼生産の減少につながり、国家安保リスクを呈する可能性がある」と評価した。一方で、買収後の経営幹部を米国民にするなど、日鉄側が示した安保リスク低減策が「十分かどうかの見方で判断が割れた」という。

バイデン政権は買収計画に対して慎重姿勢を示しており、一部メディアは、CFIUSから報告を受けたバイデン氏が、買収を阻止する方針だと報じている。

日鉄は買収が禁じられた場合、法的措置に打って出る可能性がある。

日鉄は昨年12月、141億ドル(約2兆2千億円)を投じるUSスチール買収計画を発表した。

USスチールは米国で鉄鋼産業が盛んだったころの代表的な企業。今年11月の大統領選に向けた選挙戦では、製造業の労働者保護を重視する共和党のトランプ次期大統領が、買収を阻止すると表明。民主党のバイデン氏やハリス副大統領も買収への慎重姿勢を示し、政治問題化していた。

ロイター通信は今月20日、買収審査への「不当な影響力」をバイデン政権が行使したと主張する書簡を、日鉄がCFIUSに送付したと報じていた。

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