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米議会襲撃事件の警官暴行犯釈放「間違ったシグナル」 共和党重鎮、トランプ大統領に苦言

産経ニュース / 2025年1月27日 15時0分

米共和党重鎮のグラム上院議員は26日、CNNテレビのインタビューで、トランプ大統領が2021年の議会襲撃事件で有罪になった支持者に恩赦や減刑を与えたことについて、「議会を守ろうとした警官を襲撃した人間の赦免は国民全体に間違ったシグナルを送っている」と苦言を呈した。

グラム氏は、南部サウスカロライナ州選出。昨年の大統領選に向けた共和党候補指名争いでは早々にトランプ氏支持を表明し、指名獲得を目指したヘイリー元国連大使に対する包囲網を築いた。

事件当時は議会におり、グラム氏ら議員を守ろうとして死亡した警察官らに守られていた。インタビューでは瀕死(ひんし)の重傷を負った警察官マイケル・ファノン氏に暴行を加えたとして禁錮12年の判決を受けた男も赦免されたことへの意見を求められ、「私は好きではない。国民の大半も好ましくないと思っているはずだ」と答えた。

ファノン氏は、自らの被害体験をつづった著書『ホールド・ザ・ライン』(未邦訳)を22年に出版。亡くなった警察官は「民主主義を守る防御線だった」と国民的スポーツのアメリカン・フットボールの守備陣になぞらえて主張し、広く共感を呼んだ。

警察官は共和党の伝統的な支持基盤。しかし、今回の恩赦に対しては、16年以降3度の大統領選でトランプ氏を支持した全米最大の警察組合も、警察署長会との共同声明で「危険なメッセージ」と非難している。

バンス副大統領は、26日放送のCBSテレビのインタビューで「警察官に対する暴力は正当化できない」と指摘。ただ、刑の適用で「二重基準があった」と主張し、トランプ氏による恩赦や減刑の決定を擁護している。(平田雄介)

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