トランプ氏がホワイトハウスを訪問 バイデン氏と融和ムード演出 ウクライナなど課題協議
産経ニュース / 2024年11月14日 9時12分
【ワシントン=渡辺浩生】トランプ次期米大統領は13日、ホワイトハウスを訪れバイデン大統領と会談し、約2時間にわたり外交安全保障や内政の課題について協議した。5日の大統領選後、両氏が対面するのは初めて。選挙戦を通じて非難の応酬を続け国の分断を広げた両氏だが、この日は融和ムードを演出した。
大統領執務室での会談冒頭、両氏は握手。バイデン氏はトランプ氏に祝意を示した。トランプ氏は「政治は厳しいが、今日は素晴らしい世界だ」と述べ、円滑な政権移行の協力に感謝の意を示した。トランプ氏の質問にバイデン氏が答える場面もあったという。
会談では、トランプ氏が早期停戦や軍事支援の停止を唱えるロシアのウクライナ侵略への対応も意見交換。バイデン氏は「米国の安全保障上の利益」としてウクライナを支える重要性を訴えた。
サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は終了後の記者会見で、次期政権に継承される対外課題として長期的には米中間の競争、喫緊の問題にはイランと親イラン武装勢力が米国民の安全を脅かす中東の緊迫した情勢を挙げた。
大統領選後、現職大統領が次期大統領と会って引継ぎをするのは恒例。2016年の大統領選では、当選したトランプ氏を現職のオバマ大統領が招いて会談。オバマ氏は「差し迫った危機」として北朝鮮への対応を助言したとされる。前回20年は現職だったトランプ氏が敗北を認めず、バイデン氏を招かなかった。
この日は次期大統領首席補佐官のスーザン・ワイルズ氏も同席。また、ジル大統領夫人はトランプ氏を出迎えた際、メラニア夫人あてのお祝いの手紙を手渡した。
バイデン氏は6月のトランプ氏との候補討論会で衰えを露呈したのを契機に7月に選挙戦を撤退したが、それ以降もトランプ氏を「民主主義の脅威」などと批判。トランプ氏も、バイデン氏を「史上最悪の大統領」などと糾弾してきた。
バイデン氏はハリス副大統領の敗北を受け今月6日、トランプ氏に電話し、秩序立った政権移行を約束していた。
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