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民主党内の撤退圧力に抵抗続けたバイデン一家と側近 一転の撤退判断は土日の2日間

産経ニュース / 2024年7月22日 20時49分

米大統領選からの撤退を表明したバイデン大統領(81)を直前まで支えたのは、家族や少数の側近だった。バイデン氏とその周辺は民主党内の撤退圧力に抵抗を続けたが、オバマ元大統領やペロシ元下院議長ら党重鎮の介入で外堀は埋まり、共和党のトランプ前大統領が銃撃事件で求心力を高めたことがダメ押しとなった。撤退の判断は土日のわずか2日間で行われた。

6月27日夜の討論会。言い間違いを繰り返すバイデン氏の姿は党内に「パニック」を引き起こし、交代論が一気に高まった。バイデン氏は直後の週末、家族や側近とキャンプデービッド山荘で対応を協議。残留を最も主張したのは次男ハンター氏だった。同氏は薬物依存を申告せず銃を不正購入した罪で有罪評決を受けたものの、ジル夫人とともに「最も頼れる相談相手」になっていた。

世論調査は「認知機能が衰えて大統領が務まらない」との回答が7割を超えた。6月の欧州外遊による「かぜと時差ぼけ」(大統領報道官)と釈明したが、多くの議員は自らの選挙に不利になると危機感を抱いた。大口寄付者らは「自分より国を大事にすべきだ」と進言を試みたが、家族や側近に阻まれた。

信頼回復の機会となるはずの7月9~11日の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議は、ウクライナのゼレンスキー大統領を「プーチン大統領」と紹介するなどして機を逸した。

13日、銃撃を受けたトランプ氏は、血を流しながら拳を突き上げて強い指導者像を演出。対照的にバイデン氏の弱さを浮き上がらせた。トランプ氏を「民主主義の脅威」と位置づける戦略も行き詰まった。

バイデン氏は17日、新型コロナウイルスの感染が判明し隔離に。上下両院選の敗北を懸念するオバマ氏やペロシ氏らの発言が報じられ、外堀は埋まった。だが、19日の声明では「来週には遊説に復帰する」としていた。

米CNNテレビ(電子版)によると、バイデン氏は20日土曜日に側近2人と協議して撤退の意向を示し、その夜に家族とも話し合った上で21日の朝に決意を固めた。バイデン氏はその後、「ごく少数」の側近や有力者に電話で自身の決定を伝えたが、多くの陣営関係者が知ったのは声明文が発表される「数分前」だった。

(ワシントン 渡辺浩生)

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