カーター氏国葬、歴代米大統領ら参列 党派対立「休戦」 トランプ氏はオバマ氏と談笑
産経ニュース / 2025年1月10日 9時33分
【ワシントン=大内清】昨年末に100歳で死去したジミー・カーター元米大統領(民主党)の国葬が9日、首都ワシントンのワシントン大聖堂で営まれた。バイデン大統領やトランプ次期大統領のほか、歴代の正副大統領経験者や各国指導者らが列席。日本からは菅義偉元首相が参列した。
バイデン氏は弔辞で、カーター氏が退任後も慈善事業や世界各地での人道支援活動に取り組んできたことについて、「政治に流されることなく世界に奉仕し、世界を形作る使命」に尽力したと称賛した。カーター氏が当選した1976年大統領選で争い、その後は同氏と深い友情で結ばれた故フォード元大統領(共和党)が書き遺した弔辞が読み上げられるなど、カーター氏が党派を超えた交友関係を築いていたことが印象付けられた。
国葬は、米政治で深刻化する党派対立の一時的な〝休戦〟を演出する場ともなった。共和党のトランプ氏を痛烈に批判してきた民主党のオバマ元大統領は、この日は隣席となったトランプ氏と談笑。トランプ氏の1期目政権で副大統領を務め、2021年1月に起きた連邦議会襲撃事件を巡って同氏と対立するペンス氏が、トランプ夫妻と握手する場面もあった。
一方、昨年の大統領選でトランプ氏に敗れた民主党のハリス副大統領は、トランプ氏と握手や言葉を交わさず、冷ややかな空気が流れた。
カーター氏の遺体は7日から9日朝まで連邦議会議事堂に安置され、数万人が弔問に訪れた。遺体は国葬後、故郷の南部ジョージア州プレーンズに移送された。埋葬場所は23年に96歳で死去したロザリン夫人の隣。
カーター氏は1977年1月、第39代大統領に就任し、イスラエルとエジプトの国交正常化につながったキャンプデービッド合意(78年)や米中国交正常化(79年)を実現した。だが、79年のイラン革命後に起きた米大使館人質事件への対応失敗や国内経済の低迷などを受けて80年大統領選で敗北。平和的な紛争解決や人道支援の取り組みなどが評価され、2002年にノーベル平和賞を受賞した。
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