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プーチン氏の北朝鮮訪問は「悪の枢軸」結託の象徴 米外交の手詰まりを露呈

産経ニュース / 2024年6月19日 18時7分

【ワシントン=渡辺浩生】北朝鮮を訪問したロシアのプーチン大統領と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の首脳会談は、米主導の国際秩序に挑戦する「悪の枢軸」の連携強化の象徴といえる。ロシアのウクライナ侵略を支える北朝鮮やイランの軍事支援、露の兵器生産力を支える中国の関与に効果的にくさびを打てず、バイデン米政権の外交的手詰まりをも露呈している。

ブリンケン国務長官は18日、ワシントンで北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長と会談した後、プーチン氏がウクライナ侵略の継続に必要な武器を提供できる国々との関係強化に「死に物狂いになっている」と指摘。北朝鮮やイランなど「プーチンの戦争マシンに燃料を供給する」国々の支援を断ち切るため努力を続けると強調した。

米政府は早くからイランの無人機、北朝鮮の砲弾などの供与に目を光らせてきた。衛星などで供給ルートを捕捉。1月には北朝鮮が供与した弾道ミサイルと発射装置がウクライナ攻撃に使用されたとの機密情報を公開し、国際的圧力の強化を促した。中国の習近平政権には、ロシアの防衛産業基盤に技術や部品を供与していると公言した上で、停止を迫った。

だが、そうした外交アプローチの効果はみられず、現状変更勢力の「枢軸化」を許している。中国と北朝鮮、イランは米国を揺さぶるという目標をロシアと共有し、ウクライナ侵略継続のための対露協力が利益につながると判断。プーチン氏は5月に中国を訪問して習国家主席と友好関係を確立し、金正恩氏とも今回の訪朝で結束を確認した。

一方、無条件での対話を呼びかけたバイデン政権の対北朝鮮外交は暗礁に乗り上げた。キャンベル国務副長官は今月、対話再開努力が「どれもうまくいかなかった」と認め、現政権下で進めた日米韓3カ国連携を通じた対北圧力に望みを託す。

バイデン政権はまた、イランが配下の武装勢力を通じてイスラエルに強める攻勢や、紅海周辺での西側船舶への攻撃も抑えられていない。

ウクライナには米国が供与した兵器を使ったロシア領内への攻撃を限定的に容認したが、長射程ミサイルの使用は認めていない。敵対勢力のエスカレートの抑制を重視する政権の姿勢が、現状変更勢力に結束の隙を与えているとの指摘もある。

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