トランプ氏、露出に躍起 ハリス氏罵倒が逆効果も〝トランプ節〟封印せず
産経ニュース / 2024年8月16日 15時28分
【ワシントン=大内清】米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領(78)は15日、別邸のある東部ニュージャージー州で記者会見を開いた。各種世論調査で民主党候補のハリス副大統領(59)に有利な結果が示される中、トランプ氏はメディアへの露出機会を増やすのに躍起。共和党内では、トランプ氏によるハリス氏への中傷や個人攻撃が選挙戦の足かせになっているとの指摘が相次ぐが、本人が〝トランプ節〟を封印するつもりはなさそうだ。
注目集めるイベント次々と
会見でトランプ氏は、用意された原稿に視線を落としながら、バイデン政権下での物価高騰を繰り返し批判。当選すれば「12カ月以内にエネルギー価格を半分以下にする」などと主張した。
トランプ氏は8日にも南部フロリダ州の邸宅で会見。12日に実業家のイーロン・マスク氏とX(旧ツイッター)上で対談するなど、注目を引きつけるイベントをハイペースで仕掛けている。
有権者が最も重視する経済対策では、民主党のバイデン大統領(81)が7月に撤退するまで、バイデン氏よりもトランプ氏への期待の方が大きいとのデータが各種世論調査で示されていた。しかし、ハリス氏が8月上旬に民主党候補の座を確定させて以降は情勢が急変。英紙フィナンシャル・タイムズなどが13日に公表した調査結果では、経済政策でハリス氏を信頼するとした人が42%で、41%のトランプ氏と拮抗している。
「ハリス氏攻撃の資格ある」
そんな中で共和党では、ハリス氏を「クレイジー」などと罵るトランプ氏の手法が、むしろ相手陣営に有利に働いているとの見方が強まっている。予備選でトランプ氏と争い、現在は同氏を支持するヘイリー元国連大使は13日、保守系のFOXテレビで「ぶつぶつ文句を言うのはやめて政策を語るべきだ」とトランプ氏に苦言を呈した。
こうした声を反映し、15日の会見でトランプ氏が読み上げた原稿はハリス氏への個人攻撃を控える内容だった。だが、質疑応答ではトランプ節が噴出。「私にはハリス氏を攻撃する資格がある」「(ヘイリー氏の)助言は尊重するが、私は私のやり方でいく」などと強調し、「(ハリス氏は)ひどく無能だ」と罵倒して会見を締めくくった。
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