災害対応で激しい批判合戦 トランプ氏「不法移民支援のため遅れた」ハリス氏「偽情報だ」
産経ニュース / 2024年10月8日 10時3分
【ワシントン=坂本一之】米大統領選が11月5日に迫る中、ハリケーン災害の政府対応を巡り、共和党候補のトランプ前大統領(78)と民主党候補のハリス副大統領(59)が激しい批判合戦を繰り広げている。トランプ氏は災害対応が遅いと政権側のハリス氏を攻撃し、ハリス氏はトランプ氏の主張は「偽情報だ」と反論している。
ハリス氏は7日、連邦緊急事態管理庁(FEMA)のハリケーン対応に関するトランプ氏の批判について「多くの誤った情報や偽情報が流布されている」と指摘した。
トランプ氏は、バイデン・ハリス政権が災害対策資金を不法移民への支援に使用したため、9月下旬に南部を直撃したハリケーン「ヘリーン」へのFEMAの対応が遅れたなどと主張し、批判してきた。
ハリス氏は「FEMAには利用できる多くの資金がある」と説明し、トランプ氏の「偽情報」による主張は「非常に無責任だ」と非難した。
ヘリーンによる死者は230人に達し、大統領選の勝敗を左右する接戦州である南部のノースカロライナ州やジョージア州などでは多くの家で停電が続いている。
トランプ氏は被災地を積極的に回って危機に強い指導者像をアピールするとともに、政権批判を展開して票の掘り起こしを図っている。
ハリス氏にとっては、災害対応への不満が高まれば接戦州で大きく票を失う恐れがあり、陣営はトランプ氏の批判にも神経をとがらせている。
政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス」の各種世論調査の集計(7日時点)によると、接戦7州での支持率はトランプ氏が48・4%で、ハリス氏は48・3%と横一線が続いている。
またハリス氏は、投開票日まで1カ月を切る中、安全運転を重視し控えてきたメディア露出を強化。6日に公開された女性や若者に人気のポッドキャスト番組や、7日放送のCBSテレビの看板報道番組「60ミニッツ」に出演。8日にはコメディー番組にも出演し政治への関心が薄い無党派層の取り込みに奔走している。
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