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ハリス氏「ガラスの天井」破れるか、無党派層に響く指名受諾演説 神戸大院・簑原俊洋教授

産経ニュース / 2024年8月23日 21時31分

米民主党大会最終日の22日、大統領選候補のハリス副大統領は指名受諾演説を行い、「過去の分断との決別」や「前進」を訴えた。演説の評価について、インド太平洋問題研究所理事長で神戸大大学院教授の簑原俊洋氏に聞いた。

米民主党大会でのハリス副大統領の指名受諾演説は力強く、これまでの民主党とは違う勢いやエネルギーを感じた。目を引いたのは「分断との決別」や「前進」のキーワード。大統領選を左右する中間層や無党派層にも響き得る内容だった。

検事時代からのポリシーでもある「人々のために」を強調したのも印象的だ。親から性虐待を受ける友人を守った話などもあり、強い正義感がにじんだ。個人攻撃で恐怖感をあおる共和党のトランプ前大統領とは対照的に見えた。共和党は相当焦っているはずだ。

彼女を極端なリベラル派とみる人もいるが、私は中道路線に近いと考える。演説では愛国心も強調し、元検事らしいリアリストな面も見せた。バイデン大統領ではカバーしきれない黒人や女性の共感を呼んでおり、これは接戦州で重要な意味を持ってきそうだ。

ハリス氏は7月、イスラエルのネタニヤフ首相の米議会演説を欠席した。ガザ情勢への対応の変化を期待するアラブ系や若者の票が流れ込む気配もある。トランプ氏優勢だったバイデン氏撤退前と違い、潮目ががらりと変わっている。

だが選挙戦は「レイバーデー」(9月2日)以降が本番。まだ一波乱あるだろう。ロバート・ケネディ・ジュニア氏が大統領選から撤退すればトランプ陣営に票が流れるし、ウクライナなどへの対応次第では民主党に悪影響が出る。

接戦州でも特に南部ノースカロライナ州に着目している。共和党優勢だったが、ハリス氏出馬後は民主党支持が増えている。勝てれば民主党に追い風だ。女性進出を阻んできた米政界の「ガラスの天井」をハリス氏が破れるのか、注目したい。(聞き手 桑村朋)

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