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トランプ陣営、攻め手に苦慮…ハリス氏は「共産主義者」レッテル貼りに活路

産経ニュース / 2024年8月23日 19時12分

米大統領選で共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)は、民主党のカマラ・ハリス副大統領(59)に「共産主義者」のレッテルをはる「イメージ戦」に活路を見いだそうとしている。11月5日の投票日まで約2カ月半に迫る中、政策面で具体的な攻め手に欠く現状の裏返しともいえる。

「同志カマラ」で印象付け

トランプ氏は集会などで最近、ハリス氏を「同志カマラ」と呼ぶ。親愛の情からではない。共産主義勢力の仲間内で用いられる「同志」をあだ名にすることで、投票先を決めていない無党派層にハリス氏を「極左」と印象付ける狙いだ。

トランプ氏は初当選した2016年大統領選で争った民主党のクリントン元国務長官を「いんちきヒラリー」、20年に敗れたバイデン大統領を「寝ぼすけジョー」と呼ぶなど政敵をあだ名でののしる手法を多用してきた。

ハリス氏にも、名前や笑い方を揶揄(やゆ)したり、「クレイジー」と呼んだりして挑発。だが十分に定着したとは言い難く、米メディアによると陣営は訴求力のあるあだ名を検討してきたとされる。

不法移民問題でも攻め手欠く

その中でトランプ氏が共産主義を連想させる表現を選んだのは、ハリス氏が打ち出す薬価の抑制などを、強権的な「物価統制」と混同させる思惑からだ。今月15日の記者会見では、医療保険制度改革法(オバマケア)拡充を主張するハリス氏が当選すれば、「全国民加入の共産主義システム」が導入され、「診察を受けるのに12カ月かかる国になる」と主張した。

だが、保健政策のシンクタンクKFFが今年2月に行った調査では、無党派の18%が同法の「現状維持」を、48%が「拡充」を望んでいる。トランプ氏の主張は逆効果となる可能性もある。

不法移民問題でもバイデン政権が6月、共和党の主張も取り込む形で国境管理強化に乗り出したことで、トランプ氏は攻め手を失った。トランプ氏が大統領選で不利になるとの理由で、2月に超党派合意が成立した移民制度改革の廃案を共和党指導部に指示したことは、民主党に批判材料を与える結果となった。

トランプ氏としては、9月10日に予定されるハリス氏との初の討論会に向け、同氏へのネガティブなイメージの浸透を図る構えだ。(シカゴ 大内清)

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