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バイデン氏撤退、民主党内は歓迎ムード 出遅れは顕著、資金力など課題に

産経ニュース / 2024年7月22日 19時38分

【ワシントン=坂本一之】米民主党のバイデン大統領(81)の選挙戦撤退を受け、同党内は歓迎ムードに包まれている。ただ、新候補による共和党大統領候補のトランプ前大統領(78)との選挙戦は厳しいものとなることは間違いない。バイデン氏が「民主党や米国にとって最善」の道として選択した撤退が正しかったのか。その答えは挙党態勢で巻き返しを図れるかにかかっている。

「最高の愛国者であることに改めて気付かされた」。バイデン氏が副大統領として支えたオバマ元大統領は21日、バイデン氏撤退の決断を歓迎する意向を示した。

バイデン氏に選挙戦継続への懸念を直接伝えたと報じられたペロシ元下院議長も、X(旧ツイッター)に「バイデン氏はつねに国を第一に考える愛国的米国人だ」と投稿し、決断を称賛した。

民主党の新候補は若返る。最有力と目されるハリス副大統領は59歳。年齢問題は民主党の足かせではなくなり、逆にトランプ氏を「高齢」と攻撃できる立場になる。

だが、民主党の今後の道程は平坦(へいたん)ではない。ハリス氏は現政権メンバーであり、国内で高まる物価高騰などの不満がバイデン氏と同様に向けられる可能性がある。米政治専門家は産経新聞の取材に、産業空洞化でラストベルト(さびた工業地帯)と呼ばれる地域や接戦州の「知事の方が新たな候補として支持を広げやすい」と指摘した。

新候補は選挙資金の確保も重要な課題だ。無党派層への訴求に必要なテレビ広告や集会などには莫大(ばくだい)な資金が必要となる。CNNテレビによると、6月末時点で共和党側の資金1億160万ドル(約160億円)に対し、民主党側は7830万ドル(約123億円)。短期間での資金調達力が問われる。

投票日まで4カ月を切り、大統領選を左右する接戦州で選挙集会を開く回数も限られている。選挙戦で先行し、自身への銃撃事件を機に共和党の団結を図るトランプ氏に対抗するのは容易でない。

今回、バイデン氏への撤退圧力が高まった一因は、大統領選と同時に実施される上下両院選挙への悪影響だ。バイデン氏撤退後も、世論調査の結果が上向かなければ、歓迎ムードが一変し、党内の不協和音が強まる恐れがある。

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