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「同盟国ただ乗り許さぬ」「殴るときは強く」トランプ外交支えるバンス氏、にじむ孤立主義

産経ニュース / 2024年7月18日 17時24分

【ミルウォーキー=渡辺浩生】共和党の副大統領候補に指名されたバンス上院議員が17日の指名受諾演説で訴えたのは、強い指導者のもとでの強い米国の再興だ。その世界観には孤立主義が漂うが、「弱さ」が指摘されるバイデン外交から決別し、米国の利益と国力の強化を最重視するトランプ氏のドクトリンを支える役目を担うとみられる。

「世界の平和を守る負担を同盟国に負わせる。米国の納税者の寛大さを裏切る国のただ乗りを許さない。必要なときしか子供たちを派兵しない」。バンス氏が演説で披露した世界観は、トランプ氏の米国第一主義と重なり合っていた。

高校卒業後、海兵隊に入隊し、イラクに従軍した経験は「彼の世界観形成に影響を与えた」(米紙ワシントン・ポスト)とされる。米国の国益に沿わない海外での紛争介入に消極的な「非介入主義」は昨年の上院議員就任後、ロシアの侵略を受けるウクライナへの姿勢に鮮明に表れた。

「戦闘が続く限りウクライナを支える」とするバイデン大統領に対し、「戦略が不明確で無制限に関与が続く」と警告。4月に約600億ドルの緊急支援予算が可決した際も「南部国境警備に投じるべきだ」と反対した。

そんなバンス氏が副大統領候補に指名された15日、ウクライナのメディアは「軍事支援とNATO(北大西洋条約機構)加盟に反対するバンス氏を選んだ」と速報。トランプ氏が返り咲けば対露交渉で領土的譲歩を強いられる-という懸念は欧州で一段と深まった。

バンス氏は内向きな「孤立主義者」なのか。演説ではトランプ氏がシリアでスンニ派過激組織「イスラム国」(IS)掃討に成功した例を挙げ「殴るときは強く殴る」と言明。米国の安全を脅かす勢力には武力行使を辞さない姿勢も示した。

演説で敵視したのが中国だ。特に中国が合成鎮痛剤フェンタニルの原料をメキシコのカルテルに輸出している問題を指摘。国境を越えて米国民の薬物禍をもたらしていると追及した。中国と国境危機を安全保障上の最大脅威とみなす姿勢はトランプ氏の2期目の構想と一致している。

「並外れた(トランプ氏の)ビジョンの達成を助けることを誇りに思う」と締めくくったバンス氏。「米国を再び強固に安全に」というトランプ新ドクトリンの補佐役に徹していくのだろう。

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