トランプ氏に速度感持って対応を 「領土拡大」発言は真意確認が必要 杉山晋輔元駐米大使
産経ニュース / 2025年1月21日 15時41分
トランプ新米大統領は権力の平和的な交代のために関係者が集まる会場で、祝賀ムードの中、就任演説を行った。
トランプ氏にとって第2次政権が最後の政権となる。上下両院でも共和党が優勢の、いわゆる「トリプルレッド」となっており、2026年の中間選挙までに具体的な成果を出そうとスピード感を持って対応に当たるだろう。
米国にとって、対外政策の一丁目一番地は対中政策だ。対中政策について、日米は共通する部分もあるが、全く同一というわけではない。ともに戦って本当に守るべきものは何かという基本を確認し共有した上で、堂々と日本の考え方をトランプ氏にぶつけ、協調しながら同盟関係を進めていくことが重要となろう。
トランプ氏という非常に個性豊かで非伝統的な強いリーダーシップを持った人物と相対するに当たり、同盟のマネジメント(管理)はこれまで以上に大事になる。日本は適切な形でスピード感を持って第2次トランプ政権に正面から向き合う必要がある。
就任演説では「領土拡大」との表現があった。米国の経済、社会、政治の活動領域を広げるとの意味か、真意は定かではないが、領土的な野心をむき出しにしたと捉えるのは時期尚早だ。そもそも国際法上の領域移転の原則を無視して勝手に他国の領土を取ることは非現実的で、トランプ氏の発言の中身はきちんと分析する必要がある。(聞き手 岡田美月)
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