米政権、シリア混乱は「大きなリスク」 IS台頭阻止図る 不介入のトランプ氏の対応焦点
産経ニュース / 2024年12月10日 11時50分
【ワシントン=坂本一之】米国のブリンケン国務長官は9日、シリアのアサド政権崩壊を受けた政権移行に関し「歴史的なチャンスであると同時に大きなリスクをはらんでいる」と述べ、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)が再び台頭することを阻止する考えを示した。ただ、トランプ次期米大統領はシリアへの不介入を掲げており、来年1月20日の就任以降の対応が焦点となる。
ブリンケン氏は国務省の行事で演説し、米軍などの軍事作戦で弱体化したISが勢力拡大に向け「この機会を利用しようとする」と指摘。ISの再興を「断固、阻止する」と訴え、8日に米軍が実施したIS拠点への空爆を今後も実施する可能性を示した。
ブリンケン氏は、シリアからの大量の市民流出回避や、アサド政権支配下にあった大量破壊兵器などが「悪の手」に渡らないようにする必要性を指摘した。
一方、「米国第一」主義を掲げるトランプ氏は7日、自身のSNSで「シリアは友人ではない」と強調。シリアの内戦は「米国の戦いではない。巻き込まれてはならない!」と書き込むなど、関与しない姿勢を鮮明にした。
ただ、シリアの混乱でISが再び台頭したり、シリア内外でテロが活発化したりして地域情勢が急速に悪化すれば、米国の対応を求める国際社会の声が強まる可能性もある。
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