トランプ氏、接戦ミシガン州で銃撃事件後初の集会 バイデン氏交代念頭にハリス氏ら標的
産経ニュース / 2024年7月21日 12時12分
【グランドラピッズ=渡辺浩生】11月の米大統領選に向けた共和党の大統領候補、トランプ前大統領(78)は20日、中西部ミシガン州グランドラピッズで選挙集会を開いた。銃撃事件を生還したトランプ氏、バンス上院議員(39)の正副大統領候補による最初の集会。会場の屋内アリーナ周辺は厳戒の警備態勢が敷かれ、入場できなかった大勢の支持者が路上を埋め尽くした。
トランプ氏は1週間前の銃撃事件を振り返り、「私はここにいないはずだった。全能の神のめぐみにより、皆さんの前に立っている」と語った。
陣営が本格始動の場所に選んだミシガン州は最大の接戦州。2016年の大統領選はトランプ氏が制したが、20年の選挙ではバイデン大統領に僅差で敗れた。米政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス」集計の世論調査によると、トランプ氏の平均支持率はバイデン氏を上回るが、1・7ポイントの差でしかない。
同州は米自動車産業の最大拠点でバイデン氏が先行して労組票獲得に注力。ウィットマー州知事(52)は民主党の次世代指導者として人気が高く、集会に先立ち「トランプ氏の極端な公約を州は拒否する」と表明し、対決姿勢を示した。
党大会で「融和」姿勢を演出したトランプ氏だがこの日は、バイデン政権と民主党を「急進的左派」と呼び対決姿勢を鮮明にした。政権の電気自動車(EV)の普及政策は「中国を利するだけ」と、就任初日の撤回を約束。「私は自動車産業組合員の心情を最も理解した大統領」と訴えた。
またバイデン氏に高まる撤退圧力を意識し、後継と目されるハリス副大統領を「最悪だ」、ウィットマー氏は「ひどい知事だ」とこき下ろした。
さらに、「私は1週間前に民主主義に対する銃弾を受けた」と述べ、民主党がトランプ氏を「民主主義の脅威」と批判してきたことを揶揄した。
演説は約2時間に及び、11月の大統領選は「米史上最も重要な選挙」と締めくくった。バンス氏は「トランプ氏の勝利に全力を尽くす」と訴えた。
場外で入場できなかった支持者はスピーカーを囲み、演説を聞き入った。同州のジェニー・ルイスさん(70)は「米国を分断させたのはバイデン氏の方だ。トランプ氏の勝利で国がまとまることを期待する」と語った。
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