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米大統領選、銀幕のスターや人気歌手は多くがハリス氏支持 SNS時代に票を動かせるか 

産経ニュース / 2024年11月4日 11時57分

米大統領選は、5日に投開票が行われる。米国では日本と異なり、多くの著名人が自らの支持政党を明らかにし、時には候補者とともに登壇して支持を訴える。ハリウッド俳優はもともと民主党と近いが、リベラル的な考え方と対立することが多いトランプ前大統領の返り咲きを阻止したい意向が強いとみられ、ハリス副大統領の支援に力が入る。俳優のアーノルド・シュワルツェネッガーさんは、共和党の元カリフォルニア州知事だったにも関わらず、ハリス氏支持を表明。絶大な人気を誇る歌手のテイラー・スウィフトさんもハリス氏を支持しており、選挙結果への影響が注目される。

バイデン氏撤退後押しも

米大統領選は多くの州で民主・共和両党のどちらが優勢かが鮮明で、支持が拮抗する「激戦州」が勝敗の鍵を握る。終盤では特に、これらの州での選挙活動が激しさを増す。

10月25日には、ハリス氏人気歌手のビヨンセさんが南部テキサス州の集会に登場。「芸能人ではなく一人の母親としてここに来た」と語り、人工妊娠中絶の権利擁護を掲げるハリス氏への投票を呼びかけた。

また、「プリティ・ウーマン」などで知られる俳優のジュリア・ロバーツさんは、出身地であるジョージア州でハリス氏の政策を訴えた。「帰郷」などで2回アカデミー主演女優賞を受賞し、近年は気候変動問題に取り組む俳優のジェーン・フォンダさんも、ハリス氏への支持を訴える活動を展開している。

今回の大統領選では当初、バイデン大統領が再選を目指していたが、高齢批判を受けて撤退し、ハリス氏が民主党候補に指名された。バイデン氏の撤退論を後押ししたのは、俳優のジョージ・クルーニーさん。時に「民主党のATM」と揶揄され、資金集めに大きな役割を果たすハリウッドの同党への影響力大きさが改めて印象づけられた。

スウィフトさんも支持表明

スウィフトさんは9月10日、ハリス氏を支持すると自身のインスタグラムで表明した。ハリス氏について「権利のために闘っている。決断力があり、優れたリーダーだ」と書き込んだ。その約1週間後にはトランプ氏がスウィフトさんのことを「嫌いだ!」と自身のソーシャルメディアに投稿した。

スウィフトさんは若者を中心に絶大な人気を誇り、インスタグラムで2億8000万人のフォロワーを持つ。トランプ氏もその影響力を懸念したとみられる。

米音楽業界を巡っては、トランプ氏陣営が選挙運動で使用した楽曲を巡り、ビヨンセさんやロックバンド、フー・ファイターズが許可していないとして使用差し止めを警告。一方のハリス氏は、ビヨンセさんの「フリーダム」をテーマソングにして脚光を浴びており、対照的な状況だ。

ホーガンさんはトランプ氏

「私は共和党員である前にアメリカ国民だ」。ハリス氏の支持をX(旧ツイッター)で表明したシュワルツェネッガーさんは理由として、トランプ氏が2020年の選挙で「選挙の結果を拒否した」ことを挙げた。トランプ氏が当選すれば、次の4年間で「より怒りが増し、分断され、憎しみは深まるだろう」と述べた。

トランプ氏については、俳優のデニス・クエイドさんやプロレスラーのハルク・ホーガンさん、企業家のイーロン・マスク氏らが支持を表明。SNSなどインターネットの影響が前回よりも増すとみられる今回の大統領選で、著名人の影響力がどういう形で発揮されるかは予断を許さない。(高橋寛次)

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