1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 欧米

不法移民「聖域都市」と民主党の勝利地域ほぼ一致 NY、シカゴなど全米総人口の半数居住

産経ニュース / 2025年1月25日 10時45分

トランプ米政権により本格化した不法移民の強制送還の多くは、ニューヨークやシカゴなど「聖域都市」と呼ばれる地域で行われているとみられ、昨秋の大統領選で民主党が勝利した州とほぼ重なる。聖域都市は不法移民を保護し、寛容な政策を採用している自治体で全米に11州、約600都市。総人口の半数が住むという。

「ブルーステート」が聖域都市

近年の米大統領選では、共和、民主各党支持が州によってはっきりと分かれる傾向がある。共和党支持は「レッドステート(赤い州)」、民主党支持は「ブルーステート(青い州)」、中間の激戦州は「スイングステート(揺れる州)」と呼ばれる。

聖域都市の一つシカゴがある中部イリノイ州はブルーステートの代表格。シカゴ市内には中南米系移民の多さから「中部のメキシコ」と呼ばれる移民街もあり、トランプ政権による不法移民対策の標的とされている。

黒人市長のジョンソン氏(民主党)は米メディアに対し「連邦移民当局を支援もしないし、干渉もしない」として過度な取り締まりに警戒感を示した。

聖域都市は、不法移民を強制送還する連邦政府の移民・税関捜査局(ICE)の法執行への協力を制限する政策を取る州や都市を指す。非営利組織「米国移民改革連盟」の調査によると、全米50州のうちニューヨーク州やイリノイ州、カリフォルニア州など11州が「聖域州」を宣言。市や町レベルでは約600都市にのぼる。

11州はすべてブルーステートで、これらの地域は総人口約3億3650万人の半数程度が居住、人口比で国の半分が不法移民の「聖域」となっている。

エマニュエル氏もシカゴ市長出身

こうした州はリベラル色の濃い土地柄。とりわけシカゴ市は民主党が1930年代から100年近く市長職を独占している。今回の政権交代で離任したエマニュエル駐日米大使もシカゴ市長出身だ。

トランプ氏は聖域都市が「不法移民の犯罪者をかくまっている」と主張。8年前の1期目就任直後にも、聖域都市に対し連邦補助金を停止する大統領令に署名した。都市側は違憲だとして法廷闘争に出るなど混乱が続いた。

一方、ニューヨーク・タイムズ紙によると、聖域都市とは逆に、連邦移民当局に協力するよう強制する「反聖域法」を制定する州もあり、南部を中心にアラバマ、ジョージア、フロリダ、アイオワ、テネシー、テキサス、ウエストバージニア各州などが該当するという。これらはいずれもレッドステートだ。

連邦政府と衝突の可能性

全米最大の聖域都市とされるニューヨーク市のアダムズ市長(民主党)は21日の記者会見で、移民政策の激変について問われ「この街は移民の街で、この国は移民の国だ。移民の人々の不安をやわらげたい」と述べた。アダムズ氏は同市で2人目の黒人市長という。

同紙によると、米司法省は全国の連邦検事に対し、トランプ政権の移民政策に従わない州や都市など地方政府の法執行官を調査し、起訴するよう命じた。同紙は「通知が連邦政府と聖域都市との衝突の可能性を引き起こしている」と指摘している。

今回、スイングステートの激戦7州はいずれも共和党が勝利し、聖域州ではなかった。しかし、聖域都市は東部ペンシルベニア州のフィラデルフィアなど点在している。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください