USスチール買収阻止で思った「最良」と「最善」政策の違い バイデン氏の判断は… ポトマック通信
産経ニュース / 2025年1月31日 7時0分
バイデン前大統領が退任前に日本製鉄のUSスチール買収計画を阻止する決定を下し、記者が米大学院の授業で外交官らと交わした議論を思い出した。
「政府の政策立案はどうあるべきか」との議題が教授から与えられ、グループに分かれて議論した。
記者が「民主主義の政治で『最良の政策』と『最善を尽くした政策』は異なるのではないか」と発言すると、米外交官が身を乗り出し熱い議論が始まった。
外交官は「その視点は重要だ」と語り、外交専門家として「最良の政策」を提案しても長官や議会に拒否された場合、許容される範囲内で「最善を尽くした案」を出すことが大事だと解説した。
政策への評価は政策立案のプロである官僚側と、民意をくみ取る政治側でしばしば異なる。
日鉄のUSスチール買収には米政府内に支持の声があったが、昨年の大統領選に出馬予定だったバイデン氏は、自身を支持していた組合側から買収阻止への協力を求められ、公に買収反対の立場を表明していた。
バイデン氏に対しては、買収計画に関する最終判断を見送るよう提案する部下もいたという。しかし、バイデン氏はこうした「最善の案」も容れず、労組に寄り添うという自身の政治姿勢を優先したようだ。(坂本一之)
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