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<独自>米、AI無人機大量導入へ 対中抑止力向上図る ヒックス国防副長官インタビュー

産経ニュース / 2024年8月2日 7時0分

米国防総省のヒックス副長官(同省ホームページから)

【ワシントン=坂本一之】米国防総省ナンバー2のヒックス副長官が、産経新聞の単独での書面インタビューに応じた。ヒックス氏は、人工知能(AI)を組み込んだ無人機や無人艇などを数千規模で展開する「レプリケーター」構想を2025年8月までに実現する方針を明らかにした。インド太平洋地域で覇権確立を目指す中国が「国際秩序を作り替える意思を持つ」と警戒。レプリケーターを活用し、対中抑止力を高めていく考えを示した。

ヒックス氏が海外メディアの単独インタビューに応じるのは、21年2月の就任後初めて。7月31日に応じた。

ヒックス氏はレプリケーターの利点について、「安価で、戦火にさらされる人員が少ない」と指摘。従来の装備と比べ、導入や改修に必要な時間が短縮されるとも強調した。AIなどの活用でレプリケーターは自律的に稼働する特徴があり、通信環境が悪い状況でも「機能する」とした。

ヒックス氏が、レプリケーターに取り組む理由として、念頭に置くのが軍備増強を急速に進める中国だ。「中国との戦略的競争の時代において、技術的革新には(これまでと)異なるやり方が必要だ」と言及。新しい発想で、装備開発や配備を迅速に行う必要があるとの考えを示した。

また、現在の導入計画は第1弾と位置付けており、詳細は不明ながら、将来的に「第2弾」に取り組む可能性も明らかにした。

中国は、有事の際に自国周辺で米軍の作戦行動を阻む「接近阻止・領域拒否(A2/AD)」戦略をとる。ヒックス氏は、中国は自国に近い地域で「量的、地理的な優位性をもつ」と指摘。レプリケーターは、中国のA2/ADに「米国が打ち勝つために役立つ」と意義を強調した。

台湾有事の際、実際にレプリケーターを活用するかについては「現時点で作戦や使用に関する詳細は公表していない」として明言を避けた。

インタビューでヒックス氏は、中国との衝突は望まない姿勢を示しつつも、軍備拡張を続ける中国に対する警戒感を表明。レプリケーターと従来装備を重層的に活用して、中国に対する軍事優位性を確保し、「中国の指導部が毎日、『今日は侵略の日ではない』と結論づけるようにしなければいけない」と指摘した。

【「レプリケーター」構想】人工知能(AI)などを活用した無人機や無人艇、無人潜水機といった「自律システム」を陸海空など各領域に大量配備する計画。ヒックス米国防副長官が2023年8月に打ち出した。詳細は非公表としている。ヒックス氏は構想に対し、24会計年度(23年10月~24年9月)に5億ドル(約750億円)の支出を見込んでいると述べている。

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