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トランプ氏は関税引き上げ表明でディール開始 クエール元米副大統領インタビュー

産経ニュース / 2024年11月27日 18時19分

26日、米ニューヨークで産経新聞のインタビューに応じるダン・クエール元副大統領

【ニューヨーク=坂本一之】米共和党のブッシュ(父)政権で副大統領を務めたダン・クエール氏は26日、産経新聞のインタビューに応じた。トランプ次期大統領が25日に表明した関税引き上げに関し「交渉の一環だ」と述べ、来年1月の就任前に得意のディール(取引)を進めていると解説した。一部の閣僚人事を巡り上院での承認が難航する可能性も指摘した。

クエール氏は、トランプ氏がメキシコとカナダからの輸入品に25%の関税を課すと表明した狙いに関し、自由貿易協定の「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」が2026年に見直しされることに向けた「交渉だ」と述べた。

大きな影響もたらすマスク氏

中国への追加関税についても「公平な競争」を要求し2国間での交渉になると指摘。トランプ氏は「非常に鋭い交渉をする」とし、関税政策に注力するとみている。

新政権は減税や移民・国境管理、規制緩和も重視し、新組織「政府効率化省」を率いるイーロン・マスク氏が規制など内政に「大きな影響をもたらすだろう」と語った。

外交・安全保障政策では、トランプ氏が意欲を示すウクライナでの戦争終結に向けた交渉は「彼が考えるよりも難しいものになる」と述べた。

中国が南シナ海で領有権を主張しフィリピンとの緊張が高まっている問題を挙げ、「トランプ氏が対処しなければいけない最初の危機」になる恐れがあるとした。

習政権の実態、認識する必要

一方、中国の習近平政権が「非常に反米的な政策をとっている」「非常に好戦的」と強調。ロシアへの支援や「北朝鮮を利用し、東アジアを不安定化している」と指摘し、日韓豪などや欧州は習政権の実態を「認識しなければならない」と訴えた。

また、日本製鉄のUSスチール買収計画に関し「米国で多くの誤情報がある」とし、日鉄は労働組合側と連携し「買収によって雇用が増えると示すこと」を求めた。

トランプ氏の閣僚人事に関しては、財務長官や国連大使など多数の人事が1月20日の政権発足前にも上院で承認される見通しを示す一方で、国防長官や厚生長官など一部は審議に時間を要し拒否される可能性もあるなど見通せないとした。

ダン・クエール

1947年、米インディアナ州生まれ。デポー大卒。インディアナ大法科大学院修了。共和党保守派で下院議員、上院議員を経て89年、父ブッシュ政権で副大統領。現在は米投資ファンドのサーベラス・グローバル・インベストメンツ会長。

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