米、ウクライナへ対空ミサイル優先供与 露朝同盟は日米韓で抑止 高官
産経ニュース / 2024年6月21日 9時18分
【ワシントン=渡辺浩生】カービー米大統領補佐官は20日の記者会見で、ロシアの侵略が続くウクライナの防空態勢を集中強化するため、地対空ミサイルシステム「パトリオット」を含む迎撃用のミサイルを優先的に供与すると発表した。
ロシアのミサイル攻撃の激化で喫緊の課題となっているウクライナの防空態勢をテコ入れするため同盟諸国向けの兵器供給計画を見直して対処する。一部の国への供与に影響が生じるが、カービー氏は「困難だが、必要な決断だ」と強調した。
供与時期が遅れる国名の言及は避けたが、イスラム原理主義組織ハマスとの戦闘が続くイスラエル、中国が軍事的威圧を強める台湾への影響はないとも述べた。
ロシアはイランから供与を受けた無人機なども多用し、ウクライナのインフラや都市部への空爆を激化。北朝鮮が供与した弾道ミサイルも攻撃に使用。エネルギーシステムの破壊によりウクライナの戦争継続能力の低下を図っているとみられる。
米国はパトリオットや高性能地対空ミサイルシステム「NASAMS」用のミサイルを米軍在庫から供給してきた。優先供給の量は不明だが、パトリオットは「数百発」(カービー氏)に上るという。
一方、プーチン露大統領の北朝鮮訪問で署名された露朝の「包括的戦略パートナーシップ」について、カービー氏は、露朝間の軍事的関係の深化を警告し続けてきたとして「驚きはない」と指摘。「懸念している」とも述べ、日米韓3カ国を含むインド太平洋地域の同盟諸国との連携強化で抑止力の維持を図る考えを強調した。
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