イスラエル軍、18年ぶりレバノン南部へ侵攻 ヒズボラ応戦で激しい戦闘 情勢不安定化
産経ニュース / 2024年10月1日 18時39分
【テルアビブ=佐藤貴生、ワシントン=大内清】イスラエル軍は1日、親イラン民兵組織ヒズボラを掃討するため、レバノン南部への「限定的な地上作戦」を開始したと発表した。同軍によるレバノン侵攻は2006年7月以来、約18年ぶり。軍報道官によるとヒズボラが応戦し、激しい戦闘になっている。
欧米メディアによるとイスラエル軍は国境沿いの村を攻撃。9月30日深夜から侵攻に着手し、精鋭部隊が加わっている。レバノン保健当局は10月1日、過去24時間で95人が死亡、170人以上が負傷したと伝えた。
米国務省のミラー報道官は9月30日の記者会見で、イスラエルには「ヒズボラの攻撃に対して自衛の権利がある」と強調した。ただ「国境付近の両国住民が自宅へ戻れるよう、究極的には紛争の外交的解決が望ましい」と語った。
イスラエル軍は自国北部の3地区を軍事エリアに指定し、民間人の立ち入りを禁じたほか、ベイルート南部の一部地区に避難勧告を出していた。
レバノンでは約2週間前、ヒズボラ戦闘員が使う小型通信機器が一斉に爆発し、イスラエルが関与したとの見方が出た。
その後、イスラエル軍はレバノンの首都ベイルート南郊のヒズボラの拠点などに激しい爆撃を行い、指導者として君臨したナスララ師ら複数の幹部司令官を殺害した。ヒズボラ内部の通信網は寸断され、指揮系統が混乱している可能性がある。
イスラエルは9月下旬にイエメン西部で親イラン武装組織フーシ派の関連施設も空爆した。中東地域の多方面で交戦しており、レバノン侵攻で地域情勢が一段と不安定化するのは必至だ。
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