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ハリス米副大統領支える「KHive」って何者だ? 高齢者対決に嫌気、若者が動画拡散

産経ニュース / 2024年8月4日 8時0分

7月22日、米ワシントンのホワイトハウスで、学生アスリートを招いたイベント中に演説するハリス副大統領(AP)

米大統領選で民主党の大統領候補指名を確実にしたカマラ・ハリス副大統領(59)をインターネット上で支持する人々を指す「KHive」(ケーハイブ)が勢いを増している。多くは若者で、ハリス氏が笑ったり踊ったりする動画を交流サイト(SNS)で拡散し、ハリス氏支援を訴える。11月の本選に向け米メディアも注目しているが、一部は過去に他候補らを執拗(しつよう)に攻撃した経緯もあり、暴走も懸念されている。

ハリス氏待望論とともに「復活」

KHiveがネット上に出現したのは前回2020年の米大統領選だ。米紙USA TODAY(電子版)によると、副大統領候補だったハリス氏を人種差別・性差別的な攻撃から守ることが目的だった。

KHiveとは、人気歌手のビヨンセさんの熱狂的なファンを意味する「BeyHive(ビーハイブ)」と、ハリス氏のファーストネームの頭文字を合わせた造語とする説が有力だ。

ただ、ハリス氏が21年に副大統領に就任してからは「ハリス氏の人気が下がり、最近までSNSからほとんど姿を消していた」(同紙)という。

潮目が変化したのは今年6月下旬。テレビ討論会で精彩を欠いたバイデン大統領に対する不安とともに、ハリス氏への期待が再度高まった。米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は「彼女の支持者はますます声高に意見を主張するようになった。オンラインコミュニティーも再び活性化している」と報じた。

ヤシの木がハリス氏のシンボルに

KHiveの主な層は、81歳のバイデン氏と78歳のトランプ前大統領という高齢者同士の対決に辟易していた若者たちだ。ハリス氏が大爆笑したり、即興で踊ったりする様子がツボにハマり、その動画を動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」といったSNSで拡散している。

情報発信の際、ハリス氏のシンボルとしてココナツやヤシの木の絵文字を使うことも特徴だ。

由来はハリス氏が昨年の演説で発した、かつて母親から言われたという「あなたはヤシの木から落ちたとでも思っているの?」との言葉だ。「若者は突然この世に生まれ落ちたわけではなく、先人とのつながりの上で存在している」との趣旨の発言だが、意味の分かりにくさも含めて若者は面白がっているようだ。

この動きに有名人も呼応した。英ポップスターのチャーリーXCXさんは7月下旬、X(旧ツイッター)に「カマラこそbrat(悪ガキ)だ」と投稿した。bratは自身の最新アルバムのタイトルでもあり、若者世代の間では褒め言葉として使われている。

この発信は爆発的に拡散し、「いいね」の数は33万超。ハリス陣営も反応し、X公式アカウントの背景をアルバムジャケットと同じ黄緑色に設定した。

「不協和音」生む可能性も

一方、KHiveの動向には懸念も残る。KHiveの一部は2020年大統領選の際、民主党内でのバイデン氏やハリス氏のライバルだったサンダース上院議員やその支持者らに対して攻撃を繰り返した。今回の大統領選でも「不協和音が起きる可能性」(NYT)が危惧されている。

今回大統領選でのKHiveの投稿はSNS利用者のある種の「内輪ネタ」であるため、面白さを理解できない有権者も多い。盛り上がりが行き過ぎれば、KHive以外の人々の白けムードにもつながりかねない。また、現在の若者の熱気が11月の本選まで続くかも見通せない。

今回の大統領選は無党派層の動向が勝敗の鍵を握るとされる。ネット上の支持も重要視され、特に若者に人気の歌手、テイラー・スウィフトさんの発言が全米の注目を集めているのもそのためだ。NYTは「ポジティブなミーム(ネット上で流行する面白画像や動画)が自然に広まれば、候補者のイメージを高め、選挙活動を勢いづかせるのに役立つ」と指摘している。(本間英士)

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