大統領令、迅速な政策実行が目的 議会の歯止めも 第1号はリンカーンの「奴隷解放令」
産経ニュース / 2025年1月21日 18時16分
トランプ米大統領の第2次政権が発足し、トランプ氏は初日から多数の大統領令を矢継ぎ早に発令した。大統領令は、軍や連邦政府に対する行政命令で、政策の実行を急ぐ場合に使われる。議会は大統領令を覆すこともできるが、現在は上下院ともトランプ氏の共和党が多数派を占めている。
大統領令は、米大統領が軍や連邦政府機関に対して、現行の連邦法をどのように施行するかを指示する。議会の承認を得ることなく発出されるが、議会を通過した連邦法と同様の法的拘束力を持つ。主に「行政命令」や「大統領覚書」「大統領布告」などの形式がある。
憲法が大統領に対し、外交と安全保障を担うことを認めるとともに、連邦議会の定める法律を誠実に執行することを義務づけていることが権限の根拠とされるが、明確な規定はない。初代のワシントン大統領も発令しているが、リンカーン大統領が1862年に出した奴隷解放令を第1号として以降、通し番号が振られている。
第2次世界大戦当時の第32代、フランクリン・ルーズベルト大統領が政策実現の手段として多用するようになった。ルーズベルト大統領は歴代最多で3000本以上の大統領令を発令している。
ただ、三権分立の観点から、乱用に歯止めをかける仕組みも備えている。大統領令は現行法の範囲内での命令にとどまる。内閣に法律案の提出権が認められている日本とは異なり、米大統領は法案を議会に提出することはできないため、大統領令の効力を自由に拡大することはできない。また、議会が大統領令を無効とする法律を作って覆すこともでき、裁判所も違憲判決で大統領令を失効させることができる。
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