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トランプ氏が容認? イタリア・イランが収監者を相互釈放 伊首相、外交成果誇示

産経ニュース / 2025年1月13日 18時39分

イタリア政府は12日、米国の指名手配で身柄拘束したイラン人実業家を釈放した。イランが8日にイタリア人女性記者を解放したのに続く措置で、両国間の合意があったとみられる。イタリアのメローニ首相は4日に訪米し、トランプ米次期大統領と会談しており、トランプ氏が「合意を容認したのではないか」という見方も出ている。

この実業家は欧州に保有する企業を通じて、イランに無人機システムを納入したとして米国で武器密売の罪で起訴され、昨年12月に伊北部ミラノで拘束された。米司法省は、このシステムを使った無人機が昨年、親イラン派民兵による米軍攻撃で使われ、米兵3人が死亡したと発表していた。

伊ANSA通信によると、伊司法省は12日、米国との身柄引き渡し協定に合致しないとして、裁判所に実業家の逮捕取り消しを求める手続きをとった。起訴内容が国内法に相応しないのが理由だとしている。イラン外務省は同日、実業家が釈放され、帰国したと発表した。

8日に解放されたイタリア人記者は昨年12月、実業家が拘束された直後に取材先のテヘランで「違法行為があった」として拘束された。ウクライナや中東の紛争取材で知られる20代の女性記者で、メローニ政権は救済を求める国内世論の圧力にさらされていた。

イラン、イタリアの相互釈放をめぐり、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は「トランプ氏が連携した取引」によるものだと報じた。同紙は伊政府筋の話として、トランプ氏は4日の会談で記者解放の重要性を訴えたメローニ氏に理解を示し、釈放合意を受け入れたと伝えた。

メローニ氏は9日の記者会見で、「イラン、米国との3カ国が絡む複雑な外交」の成果を誇示。11日には、バイデン米大統領とも電話で会談している。

メローニ氏は、西欧の主要国で唯一の右派首相。トランプ氏は4日の会談後、「彼女は欧州を席巻している」とたたえた。メローニ氏はトランプ氏の側近で米実業家のマスク氏とも親しい。(三井美奈)

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