米中首脳会談 バイデン氏、露防衛産業支援や台湾周辺での軍事活動に懸念伝える
産経ニュース / 2024年11月17日 17時15分
【サンパウロ=平田雄介】バイデン米大統領と中国の習近平国家主席は16日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)のため訪問したペルーの首都リマで、約1年ぶりに対面で会談した。米側の発表によると、両首脳は来年1月に退陣するバイデン政権の下での米中関係を「競争を管理し、人工知能(AI)や気候変動などで協力が進んだ」と総括。バイデン氏は中国のロシア防衛産業支援や台湾周辺での軍事活動への深刻な懸念を習氏に伝えた。
トランプ次期米大統領は、対中強硬派のルビオ上院議員を国務長官に指名するなど、米中関係の先行きは不透明感を増している。バイデン氏は習氏との会談で、「米中の競争が対立や衝突に発展しないよう、開かれた対話を維持する努力を歓迎する」と伝え、意思疎通の継続を促した。
一方で、バイデン氏はウクライナ侵略を続けるロシアへの北朝鮮の派兵を非難し、習氏に対して「中国が露防衛産業基盤を支援している」と深い懸念を伝えた。
また、中国が覇権主義的行動を続ける南・東シナ海について、米国は国際法に沿って「航行と飛行の自由」を各国に確約すると強調。台湾について「一方的な現状変更に反対する」と述べ、周辺での「中国の軍事活動の停止」を要求した。
バイデン氏は、中国の不公正な貿易政策についても懸念を表明。米国の先端技術が悪用されるのを防ぐため、「必要な措置」を維持するとした。
さらに、米国民が中国で不当に拘束され、出国禁止措置を受けているとして、優先的な解決を求めた。米国の民間企業の重要インフラを標的とした中国からのサイバー攻撃が続いていることにも深い懸念を示した。
両首脳の対面会談は昨年11月に米サンフランシスコ近郊で実施して以来で今回が最後。会談は約1時間40分続いた。
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