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インドのモディ首相が訪露 3期目政権発足後2国間初外遊、対中戦略見据え連携強化図る

産経ニュース / 2024年7月8日 11時56分

インドのモディ首相は8日、ロシアの首都モスクワを訪問する。プーチン大統領と夕食を共にし、9日に首脳会談に臨む。モディ氏は6月の3期目政権発足後、2国間外交としての初外遊先にロシアを選んだ。ロシアは、インドが国境問題などで対立する中国への依存を深めており、モディ氏は対中戦略を見据えロシアとの関係強化を図る考えとみられる。

中国対抗に露は不可欠

モディ氏の訪露は2019年9月以来で、22年のロシアによるウクライナ侵攻開始後では初めて。両首脳は最近、国際会議の場や電話で会談を重ねてきたが、今回のような定例の年次会談との位置づけでは、21年12月以来となる。

インド外務省によれば、両首脳は、国防、貿易、投資、エネルギー協力など、二国間問題を検討し、双方の利益のために地域や世界の動向に関する考えを共有する。

インドはロシアと東西冷戦期のソ連時代から、伝統的友好関係を続けてきた。「世界最大の民主主義国家」を自任しながら、ウクライナ侵略に関しては、国連総会などの場で民主主義陣営主導のロシア非難に加わってこなかった。先進7カ国(G7)によるロシア産原油に対する制裁にも「国益と国家的ニーズを守り進める」(クワトラ外務次官)と同調せず、ロシアからの安価な原油購入を継続し、ロシアの戦費を下支えしている。

インドが非同盟、多国間主義を取り、「実利外交」を進めてきた結果といえるが、インドは領土問題で軍事的に対立する中国に対抗する上でもロシアを必要としている。大きな理由の一つは、ロシアがインドの主要な武器供給国であることだ。ウクライナ侵略などで中国依存を深めるロシアが将来、インドへの武器輸出を躊躇(ちゅうちょ)する事態をインドは避けなければならない。

西側諸国から印へ厳しい視線

また、BRICSや上海協力機構(SCO)のような印露中が参加する国際的枠組みでも、中国に主導権を握られないよう印露は結束していく必要がある。

インドは6月にスイスで開かれたウクライナが提唱する和平案実現に向けた「世界平和サミット」に代表を派遣した際にも、ウクライナの「領土保全の尊重」などをうたった共同声明に「当事者双方に受け入れられる選択肢だけが不変の平和につながる」などとして署名しなかった。西側諸国からはこうしたインドの対応に民主主義の価値観を共有する観点から厳しい視線も向けられている。

今回の首脳会談直後には、ワシントンで北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が開催される。モディ氏がプーチン氏にウクライナ侵略でどのような発言をするか西側諸国から注目されている。(岩田智雄)

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