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駐日インド大使インタビュー 3期目のモディ政権が世界の6分の1の解決策示す

産経ニュース / 2024年6月23日 6時0分

インタビューに応じるシビ・ジョージ駐日インド大使=東京都千代田区(酒井真大撮影)

インドのシビ・ジョージ駐日大使が20日、東京都内の在日インド大使館でインタビューに応じた。今年は日印の特別戦略的グローバル・パートナーシップが結ばれて10年の節目。先のインド総選挙で与党を勝利に導いたモディ首相は3期目に入り、年内の訪日で岸田文雄首相との首脳会談も予定される。大使は、地域の平和と安定のために日印が協力する必要性を訴えるとともに、日印米、オーストラリアの協力枠組み「クアッド」について、世界の6分の1の人口を持つインドが世界の6分の1の解決策を示す場だと述べた。主な一問一答は次の通り。

同志国と協力を

--パートナーシップ10年の今年は重要だ

「10年間で、私たちは政治、ビジネス、科学技術、安全保障、戦略、人と人とのつながりで、大きな進歩を遂げられた。グローバルで戦略的な真のパートナーシップを持つのが私たちの進む道だ。数多くの合意の一つが日本からの5兆円規模の投資だ。そこに進展が見られていることがうれしい。首脳会談では、この地域とさらにその先の地域で今直面している多くの問題が取り上げられる予定だ。平和と安定を維持するため志を同じくする国々と協力していく必要がある」

民主主義の価値感を共有

--中国のような他国の軍事的威圧行動に対する協力をどう考えるか

「私たちは非常に複雑な世界で生きている。民主主義のような価値観を共有する同志国が協力し合うことは、世界の平和と安定のために非常に重要なことだ。インドと日本は非常に緊密に協力し、意見交換し、情報共有している。二国間だけでなく多国間でもだ。私たちは意見を交換し、具体的な課題を持っている。クアッドもそうである」

--クアッドは年内にインドで首脳会議が行われる

「クアッドは、同志国が、非常に具体的で前向きな協議事項を持って集まっている。インドでは、世界の人口の6分の1の人が民主主義の枠組みの中で暮らす。世界最多の若者がいる。世界で最も急速に成長している経済大国でもある。インドがクアッドのテーブルにもたらすのは、世界の問題の6分の1ではなく、6分の1の解決策だ。それが私たちの貢献だ」

--なぜインドはロシアのウクライナ侵略を止める呼びかけに参加しないのか

「モディ首相が今は戦争の時代ではないと言ったことを思い出してほしい。世界平和サミットに出席したインド代表は、インドはウクライナに関する世界の懸念を共有し、紛争の平和的解決を促進するためのあらゆる共同の願いを支持すると述べた。それは平和が、対話と外交によってのみ達成できるという私たちの明確で一貫したアプローチに沿ったものだ。私たちの全ての利害関係者との取り組みは、異なった視点、アプローチ、選択を理解するという観点を伴うものだ。当事者双方に受け入れられる選択肢だけが、不変の平和につながる。インドがサミットで、共同声明に署名しなかったのはそのためだ」

インドの日系企業10倍に

--日本からインドへの企業進出は伸び悩んでいる

「インドは成長し、変貌している。経済、インフラ、デジタルインフラと多くの変革がこの数年で起こり、新しいインドに世界は今、注目している。1500社の日系企業がインドにあるが、これらは1500の成功例だ。それなら1万5千の成功談ができていい。必要なのは、インドの前向きな変化を企業に知ってもらうことだ。この1年間で日本の46都道府県を回り、日印関係の機運が高まっていることがわかった。その勢いを具体的なビジネスに変えなければならない。それがインドの利益になり、日本企業の利益にもなる。インドに来なければ、チャンスを逃す。それは金鉱なのだ。あらゆる分野でインド企業と手を結んでほしい。数年のうちに、進出企業を1万5千社にできると確信している」

(インド太平洋特派員 岩田智雄)

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