ラミー英外相が訪中、王毅外相と会談 中国のロシア支援や香港情勢に懸念表明

【ナポリ（イタリア南部）＝黒瀬悦成】ラミー英外相は18日、訪問先の北京で中国の王毅共産党政治局員兼外相と会談した。英外務省によるとラミー氏は、ウクライナを侵略したロシアの軍産複合体に中国が機器を供与するなどして、ロシアの戦争継続に手を貸していることに改めて懸念を伝え、中国の行為は中国と欧州との関係を損なうと指摘した。

ラミー氏はその上で王氏に対し、中国企業の機器供与について調査し、あらゆる手段を講じて中止させるよう求めた。

香港情勢に関しては、香港国家安全維持法（国安法）に基づく反体制勢力の取り締まりなどに強い懸念を訴え、国安法違反の罪などに問われて裁判が行われている香港紙、蘋果（ひんか）日報（アップルデイリー）創業者の黎智英（れい・ちえい）（ジミー・ライ）氏の釈放を求めた。

新疆ウイグル自治区での少数民族の迫害を含めた人権問題も議題に上った。ラミー氏は、人権問題は英中が立場の違いを別にして一緒に取り組んでいくべきだと指摘した。

ラミー氏は一方で、現実的で互恵的な協力を進めることができる分野が明確に存在するとし、環境問題や人工知能（AI）の安全利用、貿易や投資の分野での協力拡大に期待を表明した。