日露戦争120年 激戦・二〇三高地で目にした古い弾丸 北京春秋
産経ニュース / 2024年12月27日 7時0分
【北京=三塚聖平】2024年は日露戦争の開戦から120年にあたる。1904~05年(明治37~38年)に朝鮮、満州(中国東北部)の支配権を巡って日本とロシアの間で起きた戦争だ。今年、日露戦争の激戦地となった中国東北部、遼寧省大連市の旅順を訪れる機会があった。
乃木希典(のぎ・まれすけ)とステッセルが会見した水師営の旧跡に足を運ぶと簡素な建物の扉は閉ざされていた。隣接する食堂の従業員に声をかけるとすぐに開けてくれたが、あまり人が来ないので鍵をかけているのだという。
地元の男性は「日露戦争を振り返るために旅順を訪れる人は多くない」と語った。敗れたロシア人だけでなく、中国人にも「国土が蹂躙(じゅうりん)された屈辱の歴史」であるためだという。
最大の激戦地として知られる二〇三高地の一帯は、春には桜が咲く自然豊かな公園になっていた。標高203メートルの小山には、散乱していた弾丸や砲弾を集めて作ったという「爾霊山(にれいさん)」と記した記念碑がある。観光業者の男性は「道が舗装されるまでは、雨が降った後に古い弾丸などが出てきた」と話し、そのいくつかを見せてくれた。1904年11~12月に行われた攻撃で日本軍は5千人以上の戦死者を出している。原形をとどめない古い弾丸から激戦を実感させられ、静かな木々の間で自然と手を合わせた。
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